教育や保育など、こどもと接する仕事に就業する際に、性犯罪歴がないことを証明する制度「日本版DBS(Disclosure and Barring Service)」の導入を議論しているこども家庭庁の有識者会議は8月1日、第3回会合を開き、関係団体や臨床心理学の専門家からヒアリングを行った。日本版DBSを巡っては対象に民間の教育サービスなどを含めるかが論点の一つとなっていたが、この日の関係団体へのヒアリングでは、学習塾やスポーツクラブなどで構成される日本民間教育協議会にも意見を聴取。こども家庭庁の担当者によると、参加に前向きな姿勢だったという。
この日の会合は非公開で行われ、▽日本民間教育協議会▽児童健全育成推進財団▽全国児童養護施設協議会▽日本知的障害者福祉協会――の4団体にヒアリング。齋藤梓上智大学総合人間科学部心理学科准教授に被害者への心理的な影響を、嶋田洋徳早稲田大学人間科学学術院教授に加害者の治療の観点について、それぞれ意見を聞いた。
こども家庭庁の担当者によると、4団体とも日本版DBSへの期待観を示し、参加も前向きであったという。
また、構成員同士のディスカッションでは、対象範囲や性犯罪歴をできるだけ広く捉えるべきだという意見が複数出た一方で、日本版DBSの制度化を優先して、スモールスタートで始めるべきだという意見や、性犯罪歴に起訴猶予や懲戒処分なども含める場合には慎重な検討が必要だといった意見があったという。
これまでのヒアリングなどを踏まえ、有識者会議では次回会合で構成員による十分な議論を行い、日本版DBSの論点についてさらに深掘りをしていく方針。