海外から日本にやってきた青年を地方自治体などがALT(Assistant Language Teacher)などに任用し、学校での外国語教育の充実と地域の国際交流を推進する「JETプログラム」について、総務省は7月31日、今年度は5831人が参加すると発表した。合わせて同省では、JETプログラムにおけるALTの活動事例集を初めて作成。各地のユニークな外国語教育・国際交流での活躍ぶりを紹介している。
JETプログラムは1987年度から続く世界最大規模の人的交流事業で、参加者は今年度までの累計で7万7172人に上る。昨年度より108人増えた今年度の参加者は、ALTとして5355人(うち、新規参加者は1837人)、国際交流員のCIR(Coordinator for International Relations)は468人(同154人)、スポーツ国際交流員のSEA(Sports Exchange Advisor)は8人(同4人)となる。参加者の出身国は英語圏の国をはじめ、アジアや中南米、アフリカなど50カ国に及ぶ。国内の受け入れ団体は46都道府県、796市町村等に加え、私立学校を運営する159の学校法人なども含まれる。
合わせて、総務省として初めて作成したALTの活動事例集では、指導方法の工夫など学校での取り組みを17事例、地域活性化や多文化共生など地域の国際化に関する取り組み13事例を収載。ALT自身からの視点をコラム形式でつづったり、工夫や苦労についても触れたりしている。
学校での事例では、ALTと子どもが1対1で3分間、自分のことを伝えたり、相手のことを聞いたりしながら、コミュニケーションする活動を取り入れた新潟県柏崎市や、小学校にALTが毎日常駐し、外国語だけでなく体育や図工などの教科にも参加し、日常的に英語や異文化に触れる機会をつくった富山県立山町、教職員向けの英会話教室「イングリッシュ・カフェ」を開催した熊本市などの取り組みを紹介している。
総務省の担当者は「教育現場や自治体に今後広くJETプログラムを活用してもらいたいということで事例集を作成した。近く英語版も作成するが、海外の方も日本の教育現場や、そこでどんな活躍ができるかを知ってもらう機会になれば」と話している。