こども政策の司令塔機能を発揮しやすく 実施要領定める

こども政策の司令塔機能を発揮しやすく 実施要領定める
実施要領について閣議後会見で説明する小倉担当相
【協賛企画】
広 告

 府省横断のこども政策で司令塔としての役割を発揮しやすくするため、小倉将信こども政策担当相は8月8日の閣議後会見で、新たに関係府省に対して政策の実施確認や実施要請をこども家庭庁から文書で発出できることなどを盛り込んだ、企画立案・総合調整事務の遂行に関する実施要領を定めたことを公表した。こども政策担当相が持っている勧告権の行使にまで至らなくても、省庁間の調整権限を効果的に機能させることができるようにする狙いがある。

 内閣府設置法によって、こども政策担当相は関係府省などに対して、必要に応じて資料提出要求や説明要求を行った上で勧告を行い、報告を受けて首相に意見具申することができる。しかし、実際に勧告権が行使されたことはこれまでなく、他省庁との総合調整は関係府省会議の開催などを通じての協議や働き掛けを中心に行われている。この総合調整としての日常的な協議・働き掛けには、例えば、6月に「こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議」が取りまとめた「こどもの自殺対策緊急強化プラン」などがある。

 8月2日付で定められた実施要領では、こうした他省庁との日常的な協議・働き掛けについて、適切な事務の遂行のために、必要な場合はこども家庭庁から関係する省庁に実施確認を文書で発出することができるとした。また、勧告権を行使する前段階として行われる各省庁への資料提出要求・説明要求で、関係省庁との方向性が一致した場合には、特に必要があれば実施要請やその報告を文書で発出できるようにした。こうすることで、勧告権の行使にまで至らなくても、こども政策の司令塔として一定の強固な役割を果たせるようにする。

 会見で小倉担当相は「必要に応じてこども政策担当相が関係行政機関の長に対して実施確認・実施要請といった文書を発出することにより、迅速に適切な事務の遂行を確認することができるように整理した。これによって勧告権を背景としつつも、これまで以上に機動的かつ柔軟に府省横断的な施策を後押しすることができるようになる」と説明。「今後、各政策の状況を丁寧に把握した上で、必要があれば迅速にこれらの権限を行使し、こども政策を前進させていきたい」と強調した。

広 告
広 告