道路交通法の改正によって、7月から16歳以上であれば免許がなくても電動キックボードが乗れるようになったことを踏まえ、日本自動車教育振興財団は8月9日、高校教員向けの研修会を都内で開いた。参加した教員は実際に公道上で電動キックボードに試乗し、通学の手段などとして電動キックボードが使われるようになったときに、交通ルールや安全な乗り方を生徒にどう指導するか考えた。
電動キックボードは欧米で都市部の手軽な短距離の移動手段として普及しており、日本でも導入が進んでいる。研修会は、各地で電動キックボードなどのシェアリングサービスを展開する民間企業のLUUPが協力し、電動キックボードを提供。同社の社員から電動キックボードの道路交通法上の位置付けや、自転車と同様に原則として車道の一番左側を走行したり、右折の際は二段階右折を行ったりするなどの交通ルールについて説明を受けた。
その後、実際に同社が開発した電動キックボードに乗り、研修会場内で練習走行をした上で、公道上を試走した。
参加した教員は「初めて乗ったが、すぐに乗りこなせたし、時速20キロ以上は出せないようになっているなど、安全につくられていることが分かった。生徒が通学の手段で使うにはまだ高価な乗り物だと思うが、興味を持った保護者が購入し、家庭で生徒が乗るということはあるかもしれない。普及して実際に通学の手段になっていくようであれば、安全な乗り方などを講習する必要があるかもしれない」と感想を話した。
一方で別の教員からは「同じ二輪でも自転車とは違って、急ブレーキや低速の際にちょっと危ないと感じた。電動キックボードが想定しているような短い距離の移動であれば、若い人は歩くだろうし、生徒には必要ないかもしれない」という意見もあった。