文科省が教員採用試験を早期化するよう要請したことを受け、東海地方で来年度の選考日程を前倒しする動きが相次いでいる。愛知県、岐阜県、三重県、名古屋市の各教育委員会はこのほど、来年度の第1次試験を現行の7月中旬~下旬から前倒しし、6月15日に実施すると発表した。愛知県、岐阜県、名古屋市では合わせて、大学3年生向けの選考を新設する方針も示した。
文科省は今年5月、教員の任命権者である全国の教委に対し、来年度の教員採用試験の第1次試験を、6月16日を基準日として実施するよう呼び掛け、その場合は文科省が教員資格認定試験(小学校)の問題を参考提供するとした。東海3県と名古屋市は基準日よりも1日早く実施するため、文科省からの問題提供は受けず、独自の問題を使用する予定。
第1次試験を6月に前倒しした場合、教育実習の時期と重なることが懸念されることから、各教委は教育実習の実施時期の調整を進めているといい、三重県教委の担当者は「文科省が早期化の方針を示して間もなく、近隣の大学や教員志望学生を受け入れる学校に、教育実習の時期を調整するよう依頼した」と説明した。
大学3年生向けの選考については愛知県、岐阜県、名古屋市教委とも詳細を公表していない。愛知県の担当者は「東京都や千葉県のような一部科目の前倒し受験の形にするか、学校推薦の形にするのかも含めて、検討をしている段階。詳細が決まり次第、公表する」と述べた。