小中の児童生徒数、過去最少 特別支援学級増で教員数は増加

小中の児童生徒数、過去最少 特別支援学級増で教員数は増加
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 2023年5月1日時点での小学校の在学者数が604万9503人(前年度比10万1802人減)、中学校の在学者数が317万7547人(同2万7673人減)と、いずれも1948年の調査開始以来、過去最少となったことが8月23日、文科省が公表した「学校基本調査」(速報値)で明らかになった。一方、教員数は小学校42万4155人(同715人増)、中学校24万7373人(同25人増)で、いずれも前年度より増加した。文科省総合教育政策局調査企画課の担当者は、教員数が増加した要因として、特別支援学級の増加や小学校での35人学級の推進、産休・育休代替教員の増加などを挙げている。

 学校数は小学校1万8979校(前年度比182校減)、中学校9944校(同68校減)、高校4791校(同33校減)で、いずれも減少。高校の在学者数は291万8486人(同3万8414人減)で、初めて300万人を割った昨年度から一段と減少した。一方、特別支援学校の在学者数は15万1358人(同2723人増)と大幅に増え、教員数も8万7847人(同1031人増)と増加した。

 小学校では特別支援学級の数が5万4624学級(同1357学級増)、中学校では2万3379学級(同709学級増)と増加しており、文科省の担当者は小中学校の教員数が増加している要因として「特別支援学級の増加の影響が大きい」と説明する。加えて小学校では、学級編制の35人への引き下げが進められており、今年度までに小1~小4で35人学級となっていることから、学級数の増加に伴い、教員が増加している可能性を指摘した。

 さらに同調査では、産休・育休を取得する教員と、その代替として配置される教員の両方が教員数に含まれているため、教員数を押し上げている可能性があるとした。産休・育休代替教職員の数は、今回の速報値では未公表だが、昨年12月に公表された22年度の確報値では小中合わせて2万7576人となっており、10年間でおよそ1万人増えた。文科省の担当者によれば、今年度も産休・育休取得者の増加傾向が続いていることが考えられるという。

 小中学校の教員数の増加を都道府県別に見ると、大幅な増加は主に三大都市圏などで見られ、地方ではむしろ減少している地域もあった。推察できる要因として文科省の担当者は、特別支援学級の在籍者を含む児童生徒数が都市部で多いことや、小学校では35人学級の推進による学級数増加の影響なども考えられるとした。

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