文科省が「せかい×まなびのプラン」 グローバル人材育成を強化

文科省が「せかい×まなびのプラン」 グローバル人材育成を強化
iStock.com/metamorworks
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 文科省は8月29日、今後のグローバル人材育成のための政策パッケージ「せかい×まなびのプラン」を取りまとめ、公表した。今年4月に出された教育未来創造会議の第2次提言、5月のG7教育大臣会合での「富山・金沢宣言」を踏まえ、「①日本からの留学・人材の交流」「②優秀な留学生や人材の受け入れ・定着」「③教育の国際化」の3つの観点から、初等中等教育から高等教育、その後の社会との接続を見据えた人材育成を目指す。

 教育未来創造会議の第2次提言では、2033年までに日本人学生の派遣を50万人(コロナ前22万2000人)、外国人留学生の受け入れ・定着を40万人(同31万8000人)に増やすことを目標としたほか、教育の国際化では中高でのオンラインを活用した国際交流などを拡充することを目指している。また富山・金沢宣言では、先進7カ国(G7)各国間の生徒・学生の人的交流をコロナ禍前の水準に回復し、さらに拡大させることが盛り込まれた。

 今回の「せかい×まなびのプラン」はこれらを踏まえて文科省が策定したもので、「①日本からの留学・人材の交流」では、小中高の段階から国際社会の一員としての意識を形成し、特に高校では留学への意欲喚起・能力育成につなげる。「②優秀な留学生や人材の受け入れ・定着」では、外国につながりのある児童生徒が安心して学べる社会の基盤を作る。「③教育の国際化」では、高度外国人材の子供や、海外で学ぶ子供たちの学びの充実など、多様なグローバル人材の学習環境を整備する。

 24年度の概算要求では▽世界と日本・地域を結ぶ「大学」の国際拠点化の推進▽産学官を挙げた高校・大学段階の留学支援強化▽G7、ASEANなど重点地域との戦略的連携強化▽国際頭脳循環の促進▽戦略的な国際展開のための情報収集・留学生誘致機能強化▽在外教育機関の機能強化――を重点施策として、関連する予算を盛り込む方針。文科省の担当者は「目標に向け、複数年度にわたる支援を検討していく」としている。

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