9月10~16日の自殺予防週間を前に、加藤勝信厚労相、永岡桂子文科相、小倉将信こども政策担当相・孤独・孤立対策担当相は8月29日、連名メッセージを公表した。若い世代に対し「家族や友人など身近な人に話してみることで、心が楽になることもある」「若い世代のみなさんを対象としたSNSでの相談窓口もある」と語り掛けるとともに、「友人の様子がいつもと違うと感じた時には、声をかけてみてほしい」と呼び掛けた。また保護者に向けては「こどもの態度に現れる微妙なサインに注意を払い、声をかけ、不安や悩みの声に耳を傾けるようにしてほしい」と要望した。
永岡文科相は同日の閣議後会見で「文科省としても自殺予防週間に先立ち、8月1日から関係府省庁と連携して子供・若者の自殺防止に向けた取り組みを強化しているが、引き続き、児童生徒や学生などの命を守るための取り組みに全力を尽くす」と述べた。
また小倉担当相も、同日の閣議後会見で「特に、子供や若者の自殺は長期休暇明け前後に増加する傾向にある。夏季休暇明けには普段以上に、子供の心の不調へのアンテナを高めていくことが重要だ。子供の様子がいつもと違うと感じた場合には、そっと声を掛け、そばにいるとともに、相談窓口につなぐなどの対応をお願いしたい」と話した。
2022年の小中高生の自殺者数が514人と、過去最多になったことを受け、今年8月1日からは厚労省、文科省、こども家庭庁、内閣官房孤独・孤立対策担当室が連携し、YouTubeでの動画広告の掲載やSNS上での相談窓口の案内など、自殺防止の取り組みを強化している。また文科省は7月10日、1人1台端末を活用した自殺予防対策について通知を出している。
加藤厚労相、永岡文科相、小倉こども政策担当相が連名で出したメッセージの全文は次の通り。
夏休みが明け、新学期が始まります。憂鬱(ゆううつ)に感じることもありますよね。多くの人が、進路や友人、家族に関する悩みを抱え、また、何となく不安を感じたりしています。
私たちも、いろいろな悩みを抱えてきました。そんな時は、深呼吸をしたり、ストレッチをするなど体を動かしたりすることで、気持ちの切り替えができることもあります。
家族や友人など、身近な人に話してみることで、心が楽になることもあります。身近な人に話しづらい時には、若い世代のみなさんを対象としたSNSでの相談窓口もあります。ぜひ、スマホから気軽に悩みや気持ちを伝えてみてください。
また、友人の様子がいつもと違うと感じたときには、声をかけてみてください。声をかけあうことで、不安や悩みを少しでもやわらげることができるかもしれません。
あなたの声かけを待っている人がいます。
私たちも、何となく不安を感じたり、職場や家族に関する悩みを抱えたりすることがあります。そんな時は、深呼吸をしたり、ストレッチをするなど体を動かしたり、人と話をしたりすることで、気持ちの切り替えができることもあります。
悩みをお持ちの方、困っている方は、どうか一人でかかえこまないでください。ご家族やご友人、職場の同僚など、身近な人に相談してみることで、気持ちが少し楽になることもあると思います。身近な人に話しづらい時には、悩みや困りごとの内容に応じた電話やSNSでの相談窓口もありますので、ぜひ連絡してみてください。
また、ご家族、ご友人、同僚など、身近な人の様子がいつもと違うと感じた場合には、声をかけてみてください。声をかけあうことで、不安や悩みを少しでもやわらげることができるかもしれません。
特に、こどもは、長期休暇明けに、不安を感じたり、悩んだりすることがあると思います。保護者の皆様は、こどもの態度に現れる微妙なサインに注意を払い、声をかけ、不安や悩みの声に耳を傾けるようにしてください。
あなたの声かけを待っている人がいます。