東京都教育委員会は9月11日、都道府県立の全日制普通科高校の中で唯一設けられている都立高校入試の「男女別定員」を、2024年春の入試で全面的に廃止することを決めた。同日開かれた公私連絡協議会で合意した。浜佳葉子教育長は「これまで段階的かつ計画的に男女別定員の緩和措置を実施してきたところだが、その実施結果を踏まえ、24年度入試から男女合同定員に移行することとした」と述べた。
都教委は進路指導への影響などを考慮しつつ、22年春の入試で、男女別定員のある全高校について、男女それぞれの定員の1割を男女合同とする緩和措置を導入。今年春の入試では、その合同選抜枠を2割に拡大した。都教委の担当者によれば、今年の緩和措置の結果、想定より多い99校(92%)で全面的に男女合同定員に移行した場合と同じ選抜結果となり、女子が増える学校は9校(8%)、男子が増える学校はなかった。
これまでは男女別定員があるために、男女で合格最低点が異なり、特に女子に不利になるケースが多く生じていた。都教委の担当者は「性別によって合格最低点に差が出ることがなくなり、本来あるべき入試の姿になると考えている。男女合同定員に移行することで、都立高校の男女比がどのように動くかは、引き続き注視していきたい」と話す。
男女別定員の廃止を訴えてきた都立高校の島田庸教諭(仮名)は「率直に言って、よく決めてくれたと思う。公教育でありながら、性別によって入学が抑制されることは望ましくない。多くの人に選ばれる都立高校の在り方を考えていくべきだ」と評価した。