幼児期までの育ちビジョン 部会が中間整理案を大筋で了承

幼児期までの育ちビジョン 部会が中間整理案を大筋で了承
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 「幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なヴィジョン(仮称)」の策定に向けた議論をしている、こども家庭審議会の「幼児期までのこどもの育ち部会」は9月14日、第7回会合をオンラインで開き、前回示された中間整理素案から加筆修正した中間整理案について検討し、大筋で了承した。遊びと体験の関係や小学校以降の学童期との接続、連携についての記載を充実させた。中間整理案は9月下旬のこども家庭審議会総会で報告される。

 「すべてのこどもの『はじめの100か月』の育ちを支え生涯にわたるウェルビーイング向上を図るために」というタイトルが新たに付けられた中間整理案では、前回会合で素案に対して出た委員からの指摘を基に、表現や文言を修正。特に「ヴィジョン」を策定する意義と目的におけるウェルビーイングの考え方に関しては「ウェルビーイングの向上を権利行使の主体としてのこども自身が、主体的に実現していく視点が重要」という文章を追加。さらに、こどもだけでなく大人にとってもウェルビーイングが重要であることを強調した。

 また、遊びと体験についても、これらを通じて外の世界へ挑戦していくことが欠かせない要素だとし、アタッチメント(愛着)だけあれば乳幼児が主体的に挑戦に向かうわけではなく、多様なこどもや大人との出会い、もの、自然、文化財、場所などとの出合いを通じて社会からのフィードバックを得ることが必要であり、保護者だけでなく幼児教育・保育施設や子育て支援施設などの取り組みを通じて、こうした機会を日常的に保障していくことの重要性について、新たに言及した。

 その上で、幼児期から学童期への接続に関しては、中教審の幼児教育と小学校教育の架け橋特別委員会の審議まとめで示された基本的な考え方を注記として加え、「保健、医療、福祉、教育、療育等こどもの成長に関わる分野の関係者が連携、認識を共有しながら幼児期から学童期に渡っての育ちを保障していくことが重要」という文章を書き足すなど、記載を充実させた。

 この日の議論で委員から出た中間整理案の細かな文言の修正については、秋田喜代美部会長(学習院大学文学部教授、東京大学名誉教授)に一任され、内容については大筋で了承された。中間整理案は9月下旬に開かれるこども家庭審議会総会で報告され、取りまとめ後にはパブリックコメントも実施される予定。その結果も踏まえ、こども家庭審議会では11月下旬ごろの答申を目指す。

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