加藤新こども担当相が就任会見 年末の政策の具体化に向け意欲

加藤新こども担当相が就任会見 年末の政策の具体化に向け意欲
就任記者会見で抱負を語る加藤こども政策担当相
【協賛企画】
広 告

 第2次岸田再改造内閣で初入閣した加藤鮎子こども政策担当相は9月14日、内閣府で就任記者会見を開いた。加藤担当相は日本の少子化について「危機的状況であり、こども政策への対応は待ったなし、先送りのできない課題」と指摘し、年末に向けて「こども・子育て支援加速化プラン(加速化プラン)」を具体化させていくことに意欲を示した。

 こども政策、少子化対策、若者活躍、男女共同参画の内閣府特命担当大臣である加藤担当相は、これに加え、女性活躍、共生社会、孤独・孤立対策も受け持つ。

 加藤担当相は会見の冒頭、こども政策、少子化対策について「こどもを取り巻く状況は虐待の相談件数が増加するなど、深刻を極めている。昨今の少子化の進行は危機的状況であり、こども政策への対応は待ったなし、先送りのできない課題となっている。こども家庭庁は、司令塔としてこども政策に関する省庁間の縦割りを打破するとともに、こども・若者や子育て当事者の声を聞き、こども・若者の視点に立った政策づくりを通じて、『こどもまんなか社会』の実現に取り組んでいく」と語った。

 2人の子どもを育てている母親という顔も持ち、子育て当事者でもある加藤担当相は「子育てに取り組む方々は十人十色、さまざまな悩みを抱えているので、その視点をしっかり(意識して)、想像力を働かせながら聞く耳を持って施策に取り組んでいくことができると思っている」と強調。年末の「こども未来戦略方針」に基づく少子化対策の具体化に向けて、意欲を示した。

 また、子どもの権利の国民への浸透について尋ねられると、「考え方自体を国民的に議論しながら問題意識を共有していくということが、わが国としては大事だと思っている。その中にあってまさにこども家庭庁は『こどもまんなか社会』の実現に取り組もうと銘打ってこの4月に発足した組織なので、その旗振り役として大きな使命があると感じている」と述べた。

 就任会見におけるこども政策、少子化対策に関する加藤担当相と記者との一問一答は次の通り。

――具体的にこれから大臣として仕事をしていく中で、どういった政策をまずは一番先に考えたいか。

 加藤担当相 (子育て)当事者であるが、私自身はあくまでサンプルの一例なので、客観性を持ってしっかりと政策推進に当たっていきたいと思っている。当事者の視点が生きていく点があるとすれば、子育てに取り組む方々は十人十色、さまざまな悩みを抱えているので、その視点をしっかり(意識して)、想像力を働かせながら聞く耳を持って施策を取り組んでいくことができると思っている。特に生かせる場面としては、これから「こども未来戦略方針」に基づいてさまざまな次元の異なる少子化対策の中身を具体化していくというのが年末に向けて行われる。私としては、こども家庭庁の皆さんと一緒に取り組みながら、加速化プランに掲げられた施策の具体化にあたって、多様なニーズを有する子育て世帯への支援について、さらなる議論をしていくというプロセスがあるので、当事者の視点をしっかりと生かしていきたい。

――これまで日本の少子化対策は失敗してきたと言われてきたが、今回の少子化対策について大臣はどのように見てきたか。

 加藤担当相 これまで、私は大臣に就任する前は党の中での議論に参画してきた。与党の中でも、議論に参画する議員のメンバーも数も変わっていて、隔世の感がある半年間を経験してきた。政治家も含め、社会も含めて関心が高まっている中で、(少子化対策は)非常に注目されている施策だと思っている。この度の加速化プランは、3兆円半ばの予算規模を想定して、また、向こう3年間を実行していく期間として、大きな枠組みを打ち出しているので、そういった腰を据えた政策を打ち出しているという点においては、これまでの政権とは違った取り組みを、本腰を入れてやっていると受け止めている。

――こども家庭庁が取り組む日本版DBSについて。有識者会議の報告書が先日まとまったが、登録対象とする機関や条例の扱いなどで異論も出ていると思う。今後のスケジュール感も含めて現時点でのこどもの性被害対策への大臣の考えは。

 加藤担当相 こどもの性暴力防止についての質問と受け止めた。さかのぼれば令和3年12月に閣議決定されたこども政策の新たな推進体制に関する基本方針において、いわゆる日本版DBSの導入に向けた検討を進めるとされていた。これを受けて6月末から有識者会議を開催し、制度設計について積極的な議論が行われ、つい最近、報告書がまとめられた。今後はその報告書を基にこども家庭庁の方で制度設計を検討していく。その上で与党においても議論をいただき、さまざまな意見を丁寧に伺いながら進めていきたい。

――こども家庭庁が発足して事業が明らかになっていく中で、これは本当に必要な事業かという声が国民からあったと思う。政策の中身を考えたときに、第1子を考える上で家庭をサポートする政策と第2子、第3子を設けたい、設けている家庭をサポートする政策の大きく2つがあると思うが、こうした2つの性格の違った政策が今まで国民に混ざった状態で伝えられ、誤解を生んできた側面があるのではないか。

 加藤担当相 そのような指摘があったことは承知している。特にその話題になりがちなのが、おそらく児童手当の所ではないかと思う。この度の加速化プランにおいては、4本の柱のうち3本の中にこども家庭庁が所管するテーマがあり、その中の一つがまさに児童手当の拡充に当たる。今回、この中においては、まさに所得制限の撤廃を含めて、支給期間3年の延長といったところもある。そして、第3子以降は3万円に倍増するというようなものを盛り込み、第3子以降の(こどもがいる)家庭に支援をしっかりしていくということを、分かりやすく示せているのかなと感じている。

――子どもの権利の国民への普及・浸透についてと、子育てをしている当事者として、大臣自身が母親として子どもの権利について実践していることは。

 加藤担当相 子どもの権利についてはしっかり、考え方自体を国民的に議論しながら問題意識を共有していくということが、わが国としては大事だと思っている。その中にあってまさにこども家庭庁は「こどもまんなか社会」の実現に取り組もうと銘打ってこの4月に発足した組織なので、その旗振り役として大きな使命があると感じている。私自身の母親としてという質問だが、さまざま申し上げたいことはあるし、関心を持っていただいてありがたいのだが、今日は大臣会見ということなので個人的なことはまた別の場面でお話しできればと思う。

広 告
広 告