こども大綱の策定に向けて、こども家庭審議会の障害児支援部会は9月13日、第2回会合を都内で開き、基本政策部会で示された今後5年程度を見据えたこども施策の基本的な方針と重要事項の中間整理案を検討した。委員からは障害のあるこどもの意見表明について明記するよう求める声があった。
基本政策部会では現在、年内の策定に向けてこども大綱のベースとなる今後5年程度のこども・若者に関する施策の基本方針について議論している。9月4日の会合でこども家庭審議会としての中間整理案が示され、基本政策部会以外の関連する部会でも検討することになった。中間整理案では障害児支援に関する施策は「ライフステージに縦断的な重要事項」の中に「障害児支援・医療的ケア児への支援」の項目として位置付けられており、保育所でのインクルージョンの推進、医療的ケア児、聴覚障害児などの専門的支援が必要なこども・若者とその家族への対応に関する連携体制の強化などをうたっている。
特に特別支援教育は「障害のあるこどもと障害のないこどもが可能な限りともに過ごすための条件整備と一人一人の教育的ニーズに応じた学びの場の整備を両輪として、インクルーシブ教育システムの実現に向けた取り組みを一層進める。障害のあるこども・若者の生涯にわたる学習機会の充実を図る」と記載している。
9月13日の障害児支援部会では、この項目を中心に各委員が意見を述べた。
中でも、一見勝之委員(全国知事会、三重県知事)が「障害児支援に関する部分以外の全体の所でこどもの意見を聞く記載があるのは承知しているが、障害児支援の所でも、障害児や保護者の意見形成、特に障害児当事者の意見を聞くのが大事だ。入念規定になるかもしれないが、付け加えてほしい」と述べたり、石澤柊委員(麦の子会)が「障害のある人の話や意見をよく聞いてほしい。自分の意思を言語化できないこどももいるので、支援者がこどもの意見をキャッチし、いろいろな方法を使って意見をくみ取ってほしい」と求めたりするなど、障害のあるこどもの意見表明の保障について書き加えるべきだとする意見が複数あった。