教員志願者の早期確保と受験機会の拡大を目指し、北九州市教育委員会と山口県教育委員会、茨城県教育委員会はこのほど、新たに大学3年生などを対象とした教員採用試験の一次試験前倒し選考を12月17日に実施すると公表した。各自治体は文科省の「教師の養成・採用・研修の一体的改革推進事業」の公募に応募。12月の前倒し選考については、同省が試験問題を提供する。
北九州教育委員会は、2023年度実施の同市公立学校教員採用試験の冬試験として、12月17日に大学3年生の前倒し選考を実施する。対象は小学校教員。現在、大学3年生(科目等履修生は含まず)で24年度末に卒業見込み、24年度末までに小学校教諭普通免許状を取得見込み、申し込み時点で24年度末に卒業が十分に見込める成績を修め、大学による推薦を受けられることなどが受験資格となっている。一次試験の「教職教養」のみを前倒して受験できる。合格者は24年1月下旬に発表予定で、大学4年次で受験する24年度実施の同市教員採用試験の一次試験が免除となる。すでに同市教員採用情報専用サイトで実施要項が公表されている。
山口県教育委員会は、24年度実施の同県公立学校教員採用試験における「教職専門」試験の免除者を事前に認定するテストを、12月17日に実施する。対象は、小学校教諭を志望する大学3年生で、同県公立学校教員を第一志望とし、小学校教諭の普通免許状を24年度末までに取得見込みなどの要件を満たすことが受験資格となっている。さらに大学4年生についても、同県公立学校教員を第一志望で、24年度の臨時的任用教員として勤務を希望し、他自治体の23年度実施の公立学校教員採用試験の最終合格者となっていないなどの要件を満たす場合、同日に試験を受けることができる。
同県教委の担当者は「今年度実施の教員採用試験で合格できなかった大学4年生も、再度12月に試験を受けられる。なるべく受験機会を増やしていきたい」と強調。12月までの準備期間は短いが、「ホームページや本県の教員採用試験に関するLINE公式アカウントなどを活用して周知していく。今後は説明会なども実施する予定」と説明した。詳しい実施要項は10月上旬に公表予定。
同じく、茨城県教育委員会も新たに大学3年生を対象とした前倒し選考を12月17日に実施する。募集職種は小学校教諭で、合格者は24年度実施の一次試験のうち、教職専門試験が免除される。実施要項は10月上旬に公表される予定。
いずれの自治体も、文科省の「教師の養成・採用・研修の一体的改革推進事業」の公募に応募。12月の前倒し選考については、同省から試験問題の提供を受ける。同省総合教育政策局教育人材政策課によると、同事業には複数自治体の応募があり、3自治体以外にも複数の自治体が12月17日の一次試験前倒し選考の実施を検討している。