東京都足立区教育委員会は9月25日、ロートこどもみらい財団と包括連携協定を締結し、区内の小中学校で通常学級に在籍しながら一部、特別支援教室で支援を受けている児童生徒を対象に、オンラインやリアルで探究プログラムを提供する方針を公表した。発達障害と特異な才能を持ち合わせる児童生徒のニーズも踏まえたもので、同区の担当者は「支援のバリエーションが広がれば」と期待する。
ロートこどもみらい財団は主に小学生から高校生を対象に、科学や社会、芸術などに関するさまざまな探究プログラムをオンラインやリアルで提供している。2021年の設立以降、神奈川県鎌倉市や大阪府東大阪市、兵庫県豊岡市とも連携協定を結んでいる。
一方、足立区では発達特性のある子供たちが共に学ぶ環境作りに力を入れているが、「公教育での発達支援の枠組みに収まらないような、才能ややる気のある子をすくい切れていないという課題認識があり、そうした子供たちをどこにつなげばよいかを考えてきた」と、同区の担当者は明かす。
こうした背景を踏まえ今回の包括連携協定では、特別支援教室に通う児童生徒が同財団のプログラムに参加できるようにするとともに、足立区独自のプログラムを提供することも検討している。今後、学校や発達相談窓口などを通じて、希望者に周知することを想定しており、今年度中に開始したいとしている。
大山日出夫教育長は「子供たちが自分の才能に気づき、『どんどん突き進んでいこう』『自分らしさを追求していこう』と思える環境ができることはありがたい」と話した。