高校の金融教育、時数の確保困難75% 教育計画に余裕なく

高校の金融教育、時数の確保困難75% 教育計画に余裕なく
iStock.com/Avalon_Studio
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 高校の金融経済教育を行う上で「授業時数が十分に確保できない」と感じている教員が7割台半ばに上り、うち8割近くがその理由について「現行の教育計画にその余裕がない」と考えていることが、金融経済教育を推進する研究会(座長:吉野直行慶應義塾大学名誉教授・金融庁金融研究センター長、事務局:日本証券業協会)の調査で、このほど明らかになった。

 同調査は今年1~3月、全国の高校教員(公民科・家庭科)と高1の生徒を対象に、郵送とオンラインを併用して行い、教員向けは1611件、生徒向けは4501件の回答を得た。金融経済教育が「必要である」「ある程度必要である」と回答した教員は88.4%で、必要な理由のトップは「賢い消費者としての知識を身に付けるため」(60.5%)、必要でない理由のトップは「学校では、教えるための体制や仕組みが整っていないため」(45.8%)だった。

 また「新学習指導要領実施後、金融経済教育に関して、授業時数が十分に確保されていると思うか」という問いに対し、「やや足りない・全く足りない」と答えた教員は75.5%に上った。その要因としては「現行の教育計画にその余裕がないため」(79.5%)が最も多く、次いで「教える側に専門的な知識が不足しているため」(40.2%)、「より重要な学習内容が他にあるため」(28.3%)だった。

 生徒向け調査では、「将来のために知っておきたいと思うこと」として「18歳成人に伴う契約や支払い(ローン・クレジット)について」が69.1%で最多、次いで「将来、自分自身が納める税金や支払う社会保険料について」(66.8%)、「将来のライフプラン(人生設計)や自分自身が働いて得たお金の管理方法について」(66.0%)が高かった。

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