神山高専もファイナリストに グッドデザイン大賞が決定

神山高専もファイナリストに グッドデザイン大賞が決定
神山まるごと高専のプレゼンテーションに臨む松坂事務局長(YouTubeで取材)
【協賛企画】
広 告

 社会を豊かにする優れたデザインに贈られる「グッドデザイン賞」(日本デザイン振興会主催)の最高賞であるグッドデザイン大賞を決めるプレゼンテーションが10月25日、都内で開かれ、候補となった5つのファイナリストの中から、子どもや地域住民にとっても居場所となっているデイサービスセンター「52間の縁側」が大賞に輝いた。ファイナリストには徳島県神山町に開校した神山学園が運営する神山まるごと高等専門学校も選ばれ、注目を集めた。プレゼンを行った同校の松坂孝紀事務局長は「私たちがデザインしたのは未来だったと言えるかもしれない」と新しい学校づくりへの挑戦を語った。

 今年度のグッドデザイン賞は1548点が受賞し、金賞の中から5点が大賞候補に選ばれ、この日、大賞を決めるプレゼンテーションと投票が行われた。

 3996票を獲得し大賞となった「52間の縁側」は高齢者向けのデイサービスでありながら、子どもや地域住民も気軽に立ち寄れる「縁側」のような居場所となっており、お互いに見守り、助け合う福祉の地域拠点を実現している。大賞が決まった直後に開かれた記者会見で、齋藤精一審査委員長は今年のグッドデザイン賞のテーマが「アウトカムのデザイン」であったことに触れつつ、「アウトカムのあるデザインというのは、北極星を見つけることではなくて、北極星に対して一歩を踏み出すことだと思う。52間の縁側のプロジェクトはまさにその一歩を踏み出すものだ」と高く評価した。

 惜しくも大賞には届かなかったものの、神山まるごと高専も3230票を得て存在感を示した。プレゼンテーションに立った松坂事務局長は、同校の学校づくりについて「よりよい社会をつくるために次の世代にバトンを託す、そんな思いで取り組んだ学校づくりのプロジェクトだ」と強調。多くの起業家が参画し、さまざまなプロジェクトが同時並行で進んできたことや、企業が拠出する基金によって、学費の完全無償化を実現したことなどをアピールした。

 その上で「教育機関としての評価はまだこれからだが、もし私たちが今、なせたことがあるとするならば、それは教育の世界の中に新たな希望の光をともすことができたということだ。こんな学校があるのだとするならば、未来は変わるかもしれない。そんな期待や応援が私たちの原動力となった。そういった意味で、私たちがデザインしたのは未来だったと言えるかもしれない」と胸を張った。

広 告
広 告