孤立する子ども・若者の支援に取り組む認定NPO法人のD×P(ディーピー)は10月24日、年末年始に困窮する子ども・若者に食料支援を行うクラウドファンディングについての記者会見を厚労省で開いた。D×Pの今井紀明理事長は物価高の影響で十分に食べることができない子ども・若者が増えているとし、「年末年始は、親に頼れない子どもたちが孤独感を抱きやすい時期にある」と警鐘を鳴らした。
D×Pでは、親や周囲を頼れない13~25歳の子ども・若者を対象にしたLINEによるオンライン相談窓口「ユキサキチャット」を運営しており、孤立している子ども・若者を行政や地域の支援につなげたり、生活を立て直すために食料支援や現金給付を行ったりしている。D×Pによると、ユキサキチャットを通じて食料支援をする数は今年8月末時点で昨年同時期の約1.8倍に増加しており、食料支援を希望する人のうち46.2%が「ごはんを食べない日がある」と答えているなど、物価高で深刻な状態に陥っているという。
記者会見した今井理事長は、こうした子ども・若者の背景として、さまざまな理由により親を頼れないケースが非常に多いと指摘。特に「年末年始は、親に頼れない子どもたちが孤独感を抱きやすい時期にある。クリスマスや年末年始で街に出たりSNSを見たりして自分と周囲の環境を比べてしまうということもあるし、行政機関や学校も休業期間に入ってしまうため孤立しやすい。それにより対応が遅れ、一人で何も食べられないまま年末年始を過ごしてしまうといった、八方ふさがりになってしまうことが起こりやすい」と訴えた。
この対策としてD×Pでは現在、年末年始に孤立している子ども・若者に食料を送るためのクラウドファンディングを立ち上げており、今井理事長は「子ども・若者の孤立の問題を多くの人に知ってもらいながら、解決をしていきたい」と協力を呼び掛けた。