幼児期までの育ちヴィジョンで答申素案 当事者の意見反映

幼児期までの育ちヴィジョンで答申素案 当事者の意見反映
答申素案を検討した「幼児期までのこどもの育ち部会」の第8回会合(YouTubeで取材)
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 こども家庭審議会の「幼児期までのこどもの育ち部会」は10月30日、第8回会合をオンラインで開き、小学校入学前までのこどもの成長・発達の時期に重要な施策の考え方を指針としてまとめた「幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なヴィジョン(仮称)」の答申素案を検討した。中間整理を基に実施されたこども・若者を含むパブリックコメントで寄せられた意見を踏まえ、遊びの環境整備や、保育士などのこどもの育ちに関わる専門職の体制充実を盛り込んだ。

 9月末に開かれたこども家庭審議会の総会で「ヴィジョン」の中間整理が取りまとめられたのを受け、こども家庭庁では中間整理についての国民、こども・若者向けのパブリックコメントを実施。そこで出た意見を反映させ、「ヴィジョン」の答申素案をこの日の会合で示した。

 答申素案では、パブリックコメントで「こどもが外で遊べる場所が少なくなっていたり、こどもが遊ぶ声や公共交通機関でのこどもの泣き声への苦情があったりするなど、子育て世帯が肩身の狭い思いをしているため、こどもを含む子育て世代を優しく見守る社会を作ってほしい」という意見があったことを受けて、「公園等の公共の空間では、こどもが思う存分遊びにくい状況となっている場合もあるが、公園等は、こどもの豊かな遊びの場として重要であることについて、社会の認識共有を図っていくことが必要である」という一文を追加するなど、遊びの環境整備についての記載を充実した。

 また、別紙にまとめられている「『育ちのヴィジョン』の実現に向けた社会全体のすべての人の役割」に関して、パブリックコメントで保育士の処遇改善や配置基準の見直しを求める声があったことなどを踏まえ、「保育士等が誇りを持って働くことができるような体制整備が必要」という文言が加えられた。

 「ヴィジョン」は次回会合で案が取りまとめられ、こども家庭審議会から答申される予定で、年内に閣議決定する見込み。

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