授業のデジタル化進むが悩みも 全国大学生協連が教員調査

授業のデジタル化進むが悩みも 全国大学生協連が教員調査
iStock.com/Worawee Meepian
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 コロナ禍による大学教育への影響について、全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)は10月30日、大学教員に行った調査報告書を公表した。レポートなどのオンライン化やLMS(Learning Management System)の活用が広がるなど、デジタル化が進んだ一方、授業準備の時間が長くなったり、学生の反応が分からなくなったりといった悩みも抱えていることが浮かび上がった。また、多くの教員が今の学生に「文章力」や「論理的思考力」が不足していると感じていることも分かった。

 アンケートは6月12日~8月7日にインターネットで実施。大学生協がある全国124大学の教員2240人が回答した。

 コロナ禍による授業の進め方や評価方法の変化を複数回答で尋ねたところ、最も多かったのは「レポート等の提出をオンライン化した」で54.6%、次いで「資料や板書の共有方法をデジタル化した」が48.1%となるなど、オンライン化、デジタル化が進んだ。

 インターネットを利用してパソコンなどから学習を受けることができるLMSを「よく使う」と答えた教員の割合も、コロナ禍前の14.5%からコロナ禍後は48.7%に増えていた。

 一方で、コロナ禍の前後で授業の準備や準備時間の変化にどのようなものがあるかを複数回答で尋ねると、最も多かったのは「授業(内容)を準備する時間が長くなった」で45.1%に上った。オンライン授業やオンデマンド授業で困っていることについても複数回答で聞いてみると、「学生の反応がわからない」(50.8%)や「著作権への配慮」(40.4%)などが上位に挙がった。

授業を進行するにあたって、不足していると思われる学生のスキル(最大3つ)
授業を進行するにあたって、不足していると思われる学生のスキル(最大3つ)

 さらに、授業を進行するにあたって、不足していると思われる学生のスキルを最大3つ挙げてもらったところ、最も多かったのは「文章力」で65.6%、次に多かったのが「論理的思考力」で59.2%だった。

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