教育界のノーベル賞といわれ、世界各地で活躍する教員を表彰する「グローバル・ティーチャー賞2023」の世界トップ10が、このほど出そろった。同賞の公式ウェブサイトによれば、今年は世界130カ国、7000人以上の応募者があり、トップ10には戦時下でウクライナ語・文学を教える教師などが選ばれた。最優秀賞は11月上旬に発表される。
同賞は英バーキー財団が2015年に設立したもので、義務教育、または5歳から18歳までの子どもたちを教える現役の教師などが対象。同財団のウェブサイトでは、同賞の趣旨について「子どもたちの人生を変える、教師という英雄たちの物語を発掘し、世界中の教師の素晴らしい業績を世に知らしめることを期待する」としている。
2023年の世界トップ10には、世界各国で貧困や教育格差、人種差別問題に取り組む教師や、ICT教育、「レゴ」を使った教育を実践する教師などが選ばれた。その中の一人、ウクライナの教師アルトゥール・プロイダコフさんは、「戦時下においても、ウクライナ語の学習者に向けたオンライン講座や、一時避難民のための会話クラブ、試験準備のための無料ウェビナーなど、重要な社会的プロジェクトの実践を続けている」と紹介されている。
同賞の世界トップ50には鳥取県立鳥取西高校で英語を教える松田裕史教諭も選ばれており、ウェブサイトでは「生徒がリアルな社会課題に関わり、世界とつながるよう後押しをしている。ベンチャー企業、芸術家、研究者との交流を通じて、生徒が幅広いコミュニティーと関わり、リアルな場面で英語力を活用している」と評価されている。