不登校への支援充実に27億円 都教委24年度予算要求

不登校への支援充実に27億円 都教委24年度予算要求
11月9日に開かれた都教委の第18回定例会=撮影:松井聡美
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 東京都教委は11月9日、第18回定例会を開き、来年度の予算要求(見積)について報告した。来年度の教育庁所管事業予算見積は9654億9200万円で、前年度当初予算額より690億800万円増加した。要求額のうち、給与関係費は7481億900万円(前年度比364億2800万増)、事業費は2173億8300万円(同325億8000万円増)を占める。主な新規・拡充項目として、生徒の英語力向上に22億600万円、不登校への支援充実に27億1600万円、外部人材の活用に106億4100万円を要求した。

 来年度の都教育庁所管事業予算見積では、▽子供を伸ばす▽子供を支える▽教員を支える━━を3つの柱とし、新規・拡充事業を実施する。

 「子供を伸ばす」では、都立高校でJETプログラム(語学指導等を行う外国青年招致事業)を活用した人材の配置拡大、「TOKYO ENGLISH CHANNEL」の動画教材の充実など、生徒の英語力向上に22億600万円を要求。また都立高校生の海外派遣や交流に8億8600万円、都立学校での生成AI活用の推進や、公立小中学校への算数・数学のデジタル教科書の提供に9億2400万円、工科高校における資格取得支援や農業高校でのスマート農業教育の推進など、社会的実践力の育成に15億3200万円を盛り込んだ。

 「子供を支える」では、中学校を巡回して不登校対応に関する支援を行う教員の新規配置、校内別室指導員の配置拡大、都立高校でバーチャル・ラーニング・プラットフォームを活用する支援拡充など、不登校への支援充実に27億1600万円を要求している。

 また、「教員を支える」については、副校長支援員やスクール・サポート・スタッフ、副担任相当の業務を担うエデュケーション・アシスタント、部活動指導員の配置拡大など、外部人材の活用に106億4100万円を盛り込んだ。さらに、デジタル化による教員の負担軽減に11億6600万円、教員のメンタルヘルスサポートの充実に8100万円、小学校高学年における教科担任制の推進校拡大など、教員の指導力向上に5億2900万円を要求した。

 委員からは「新規事業を行うことで、学校現場にはそれに伴う事務作業がプラスされることになる。例えば、小学校高学年の教科担任制を推進するには、時間割の編成など、かなり複雑化している。そうした負担を軽減するために、新規事業を行う際にはシステム化も同時に図っていく必要があるのではないか」との指摘が上がった。

 都では、知事の査定などを経て、来年1月に予算案を発表するとしている。

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