30代で現在も独身の人の子ども観は「子育てによる心身の疲れが大きい」など消極的になっている傾向が11月20日、2012年時点で20代だった人に行っている厚労省の「21世紀成年者縦断調査」で浮かび上がってきた。子どもがいる夫婦では、夫の休日の家事・育児時間が長くなるほど第2子以降の生まれる割合が高くなる傾向にあった。
この「21世紀成年者縦断調査」は対象になった人の結婚や出産、就業などの実態や意識についての経年変化を追跡しているもので、02年時点で20代だった人を対象にしたものと、12年時点で20代だった人を対象にしたものがある。公表されたのは12年時点で20代で、現在は30代になっている人を対象に行った調査の方で、今回で11回目となる。11月2日の調査日に9049人が回答した。
1回目の調査で独身だった人のうち、今回の調査までに結婚した人は、男性で36.5%、女性で53.1%だった。男女とも、1回目の調査で「結婚意欲あり」と答えた人の方が、「どちらとも言えない」「結婚意欲なし」と答えた人より、この10年間で結婚した割合は高かった。「子どもあり」の割合は男性で72.7%、女性で76.7%となり、1回目の調査で希望子ども数が多いほど高い傾向になっていた。
夫の休日の家事・育児時間でこの10年間の出生の状況を見ると、第2子以降の出生がある割合は、「家事・育児時間なし」では40.0%なのに対し、「家事・育児時間あり」では2時間未満で78.0%、2~4時間未満で84.5%、4~6時間未満で90.3%と、夫の休日の家事・育児時間が長いほど、第2子以降が生まれる割合は高くなる傾向にあった。これは、02年時点で20代だった人に行った「21世紀成年者縦断調査」の11回目の調査結果と同様だった。
一方で独身者の子ども観について尋ねると、「家族の結び付きが深まる」や「子育てを通じて人間的に成長できる」などの積極的な子ども観は02年時点で20代だった人に行った「21世紀成年者縦断調査」の11回目の結果の方が高く、逆に「子育てによる心身の疲れが大きい」や「子育て・教育で出費がかさむ」「子どもにどのように接すればよいか分からない」などの消極的な子ども観は今回の方が高くなった。