不登校児童生徒の急増を受け、文科省は11月29日に、学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)の設置を促進するため、設置・運営や児童生徒支援についての相談・助言などを行う「学びの多様化学校マイスター」を、希望する自治体に派遣する事業を創設した。教育委員会などからの派遣申請を今年12月1日に開始し、年明けをめどに派遣を開始する。
学びの多様化学校は現状、全国で24校にとどまっているが、文科省は2027年度までに全ての都道府県・政令市に設置するとしており、将来的には分教室型も含め、全国に300校の設置を目指している。
学びの多様化学校の設置・運営には、不登校児童生徒の学習状況に合わせた特別の教育課程を編成したり、個々の児童生徒に即した支援をしたりするなどのノウハウが必要になることを踏まえ今回、設置・運営についての知識や経験、不登校児童生徒への支援についての知見を持つ学校関係者5人を、学びの多様化学校マイスターとして委嘱した。
マイスターによる相談や助言は、自治体の希望に応じて、対面やオンラインなどでの支援を見込む。また12月22日には「学びの多様化学校設置促進フォーラム」を開催し、学びの多様化学校マイスターによる講演やパネルディスカッション、個別相談会を行う予定。
委嘱された学びの多様化学校マイスターは次の通り(五十音順、敬称略)。
▽井上博詞(学校法人平島学園こじか幼稚園園長、前岐阜市立草潤中学校校長)▽岡田敏之(基礎教育保障学会会長、元京都市立洛友中学校校長)▽加納博明(学校法人西濃学園学園長兼中学校長)▽黒沢正明(東京都八王子市立高尾山学園〈小学部・中学部〉校長)▽蓮田亮大(学校法人星槎・学校法人国際学園副理事長)