今年行われた全国中学校体育大会(全中)夏季大会に、35都道府県で1705の地域クラブが参加したことが11月30日、日本スポーツ協会(JSPO)主催の「運動部活動改革に向けたJSPO加盟団体ミーティング」第4回会合で、日本中学校体育連盟(中体連)から報告された。中学校の部活動の地域移行が進められていることを受けて、中体連では今年度の全中から、学校以外の地域クラブなどが出場できるように参加資格を緩和している。
JSPOに加盟する競技団体の関係者が集まり、中学校の運動部活動の地域移行について意見交換が行われたこの日の会合で、中体連の新宮領毅事務局長は今年夏に開催された全中での地域クラブの参加状況について報告。35都道府県について集計したところ、合計で1705の地域クラブ、1万297人の選手が参加申し込みをしたことが確認できた。競技別にみると陸上が254団体・1557人、柔道が297団体・1309人、バドミントンが267団体・1473人と目立った。
各都道府県の中体連からは「審査を経て中体連に登録した地域クラブ活動は、運営面でも協力的だった」「クラブチームの参入により、団体戦の参加が増えた」など、好意的な声が寄せられた一方で、「平日に監督会議に参加できないチームが複数あった」「土日の練習のみのクラブチームからの、ガイドライン順守の内容に対する苦情電話が殺到した」などの課題も指摘された。
合わせて、この日の会合では中体連が現在取り組んでいる「全国大会組織の在り方改革プロジェクト」の一環で、22年度中に行ったアンケートの結果も紹介。それによると、全国大会の形式について、回答した中学生1万8373人のうち56.9%が従来のような日本一を決めるトーナメントなどの形式がよいと答えた一方、交流を主目的とするリーグ戦などの交流形式がよいという回答も26.0%あった。
これらを踏まえ、27年度の全中で学校の教育活動に資する持続可能な大会とするために、多様な大会の在り方の検討や大会形式の見直し、大会の縮減、規模縮小、大会分担の均衡化などを進めていく考えを説明した。