「あなたはアイスクリームメーカーの社員。新しい国に商品を売り込みたいが、どんなデータを用いて市場を分析すればよいだろうか?」――。世の中に溢れかえるデータの中から、自分が必要なものを見極め、市場開拓を目指す教育用カードゲームを、大手マーケティングリサーチ会社の社員がこのほど開発した。
開発者はインテージ生活者研究センターの小林春佳さん。プレーヤーは4~6つの「会社」に分かれて売り上げを競う。各社はチョコミントアイスやあずきもなかアイスなど、5つの商品を持ち、気候や住民の平均年齢などが異なる5つの国に投入する。その際、プレーヤーには5枚の市場データカードも渡されるが、その中から商品を売るのに必要なデータを見極める必要がある。
データが足りない時は他社のデータカードを見て「リサーチ」することもできるが、中には、あまり関係ないデータも混ざっているので注意が必要だ。プレーヤーには最後まで伏せられているが、各国にはあらかじめ商品ごとの市場規模が設定されていて、そのニーズを超えて投入しても「売れ残り」となり、売り上げ(得点)にはならない。
ゲームの対象年齢は小学校中学年以上。小林さんは「仮説を持っているかどうかが重要。特定の国や商品に集中し、データの取捨選択をうまくできれば勝ちやすくなる。意外と大人より小学生が強いこともある。データを自分なりに解析し、ちゃんとした理由を持って行動を決める経験をしてほしい」と笑顔を見せる。学校現場では無償で利用できる。
問い合わせは小林さん、メールkobayashi-haruka@intage.comへ。