探究方法の指導に課題感 福島県内の高校教員の半数超

探究方法の指導に課題感 福島県内の高校教員の半数超
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 福島大学の「地域×データ」実践教育推進室はこのほど、福島県内の高校の教員に行った探究学習の指導方法に関するアンケート結果を公表した。県内の高校の探究学習の実態を網羅的に把握した初めての調査で、半数以上の教員が探究の方法に関する指導や指導する教員自身の専門性に課題を感じていることが浮き彫りとなった。

 アンケートは9月14日~10月12日に、県内の国立、県立、私立の高校(高専を含む)の103校にインターネットで実施。84校の教員124人から回答を得た。「総合的な探究の時間」をはじめとする探究学習の指導状況や課題を聞いた。

探究学習を指導する上で困っていることや課題と感じていること(複数回答)
探究学習を指導する上で困っていることや課題と感じていること(複数回答)

 指導を担当している教員が指導する上で困っていることや課題を複数回答で尋ねたところ、半数以上の教員が「探究方法の指導(問いの立て方、仮説の設定、まとめ方等)」(55.6%)や「指導教員の専門性(教科・興味)」(52.4%)を挙げていた。「指導教員間の連携・協力(連絡調整・目線合わせ等)」(49.2%)や「評価方法(評価基準の設定、評価方法の工夫、個人内評価の活用等)」(49.2%)、「指導時間の確保・不足」(47.6%)、「外部機関との連携(情報入手、連絡調整等)」(46.8%)、「年間指導計画・カリキュラムの立案」(44.4%)も4割を超えていた。

 外部との連携では、84校のうち71校が行っていると答えており、連携先では「民間企業」(59.2%)や「行政機関(基礎自治体の市町村)」(56.3%)、「民間組織(NPO法人・NGO等)」(43.7%)などが多かった。

 同学では、これらの結果を基に、高校現場の探究方法の指導を支援するため、探究の流れや問いの立て方などをテーマにした5~10分程度の大学の教員による解説動画を作成・配信するなど、県内の高校の探究学習の支援を展開していく予定。

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