こども家庭庁は12月19日、幼稚園や保育所、特別支援学校などで使用する送迎バスに義務付けられた安全装置の装備状況の調査結果を公表した。それによると、10月末時点で72.5%が装備を完了し、12月末までには85.7%が、経過措置期間が終了する来年3月末までには99.9%が装備完了予定であることが分かった。
昨年9月に静岡県牧之原市の認定こども園で、送迎バスに置き去りにされた子どもが亡くなったことをきっかけに、政府は昨年10月に緊急対策を取りまとめ、その対策の一環として送迎用バスに対する安全装置の装備を4月から義務化。来年3月31日をもって1年間の経過措置期間が終了することから、10月末時点における安全装置の装備状況について、文科省と連携して調査を実施した。
同調査では、全国の幼稚園や保育所、特別支援学校など2万4286施設へ調査を実施。安全装置の義務付けの対象となっている送迎用バス5万4345台のうち、10月末時点で72.5%が装備を完了し、12月末までに85.7%、経過措置期間が終了する来年3月末までには99.9%が装備完了予定であることが分かった。
来年3月末までに装備完了予定がないのは、神奈川県内の幼稚園バス2台。同庁の担当者によると、この2台は国交省のガイドラインに示されているものとは異なる安全装置を導入しており、「神奈川県を通じて規定に適応するものを装備するよう通知している」とした。
また、幼稚園、保育所、認定こども園などでは10月末時点で90%を超える装備率に達しているが、指定児童発達支援事業所や放課後デイサービス、児童発達支援センターなどでは装備が遅れており、同庁担当者は「施設に通う子どもたちの特性を踏まえた安全装置の選定に時間がかかっているなどの要因がある」と見解を述べた。
同日の閣議後会見で加藤鮎子こども政策担当相は「来年3月末までに装備完了予定の施設・事業所も相当数ある。安全装置の装備は子どもたちの命を守るために必要なものだ。来年度以降に運行される全ての送迎用バスに安全装置が装備されている状況となるよう、引き続き自治体と連携して取り組んでいく」と強調した。