75年ぶり、4・5歳児の職員配置基準改善 来年度予算案の大臣折衝

75年ぶり、4・5歳児の職員配置基準改善 来年度予算案の大臣折衝
鈴木財務相との折衝後に記者会見した加藤担当相=撮影:松井聡美
【協賛企画】
広 告

 加藤鮎子こども政策担当相は12月20日、2024年度予算案について鈴木俊一財務相との折衝に臨み、制度発足以来75年間一度も改善されてこなかった保育士の4・5歳児の職員配置基準について改善を図り、それに対応する加算措置を設けることで合意した。その他、児童手当の抜本的拡充や、学童保育の常勤職員配置改善、こどもの貧困対策、ヤングケアラー支援など多様な取り組みの強化についても合意した。折衝後の記者会見で加藤担当相は「加速化プランの各種施策を、スピード感をもって実行に移していく。社会全体でこども・子育て世帯を応援する機運を高めていきたい」と強調した。

 24年度のこども家庭庁予算は、「こども未来戦略」に基づき、こども・子育て政策を抜本的に強化する予算となる。

 幼児教育・保育の質の向上においては、「社会保障と税の一体改革」以降、積み残された保育士の1歳児および4・5歳児の職員配置基準のうち、制度発足以来75年間一度も改善されてこなかった4・5歳児の職員配置基準について、24年度以降に「30対1」から「25対1」への改善を図り、それに対応する加算措置を設ける。併せて最低基準の改正も行うが、人材確保に困難を抱える保育現場に混乱が生じないよう、当分の間は従前の基準により運営することも妨げないとする経過措置を設ける。また、1歳児については、保育人材の確保などの関連施策との関係も踏まえ、25年度以降、加速化プラン期間中の早期に6対1から5対1への改善を進めるとしている。

 児童手当の抜本的拡充についても合意。「こども未来戦略」に基づき、所得制限の撤廃、高校生年代までの支給期間の延長、多子加算について第3子以降3万円とする抜本的拡充を行う。関連の法案を次期通常国会に提出し、24年10月分から実施する。

 その他、学童保育の安定的な運営を図るため、運営費において現行の補助基準額に加え、常勤の放課後児童支援員を2人以上配置した場合の補助基準額を新たに創設する。さらに、こどもの貧困対策では、ひとり親家庭への支援として児童扶養手当の拡充などを進める。児童虐待防止、社会的養護、ヤングケアラー支援などでは、こども・若者視点での新たなニーズに応じたアウトリーチ型支援を強化。障害児支援、医療的ケア児支援では、こどもの補装具費支給制度の所得制限の撤廃などについても合意した。

広 告
広 告