不登校のこどもの支援や現場の実情を把握するため、加藤鮎子こども政策担当相は1月22日、東京都八王子市にある学びの多様化学校(不登校特例校)の市立高尾山学園と、星槎教育研究所が運営する「せいさフリースクールはちおうじ」を視察した。加藤担当相は「不登校対策はこどもたちの視点で、こども一人一人の悩みに寄り添って適切な支援につなげていくこと、そして、こどもたちが自らの進路を含め、さまざまなことを主体的に自分自身で決められることで自己肯定感を育み、最終的に社会的な自立を目指していくことが重要」と述べ、学びの多様化学校やフリースクールなどの不登校のこどもの居場所について、文部科学省と連携して情報発信していく必要性を指摘した。
この日の視察で加藤担当相は、実際にそこで学んでいるこどもたちの様子をはじめ、不登校支援の取り組みで工夫していることや課題などについて、職員らと意見交換を行った。
高尾山学園では、八王子市の安間英潮(ひでしお)教育長から、同市の不登校対策の課題や、家族以外のもう一人の大人とのつながりをつくることを大事にした同校の特色について説明を受けた後、プレイルームや相談室など、校内にあるこどもたちの居場所を見学。
その後に訪れたせいさフリースクールはちおうじでは、同じ敷地内にある通信制の星槎国際高校の生徒や星槎大学の教員志望の学生がフリースクールに通うこどもの学習支援を行う「ピアサポート」の様子を視察した。
視察を終えて記者団の取材に応じた加藤担当相は「今回の視察を通じて、改めて不登校対策はこどもまんなか、こどもたちの視点で、こども一人一人の悩みに寄り添って適切な支援につなげていくこと、そして、こどもたちが、自らの進路を含め、さまざまなことを主体的に自分自身で決められることで自己肯定感を育み、最終的に社会的な自立を目指していくことが重要と感じた」と振り返った。その上で、課題として不登校支援のための専門人材の育成や、不登校のこどもたちのための選択肢について、文科省と連携して一元化した情報発信をしていく必要性を挙げた。