障害理解の推進と指導の充実を図るため、大阪府教育委員会と公教育のダイバーシティ&インクルージョンの推進を行うベネッセこども基金が連携協定を締結し、1月25日に大阪府内で協定書の調印式を行った。障害に対する理解や認識を深められる効果的な実践を学校現場に広く共有していくことを目指す。調印式後には同府教育庁の指導主事らが障害理解教育研修会を行い、ダイアログ・イン・ザ・ダーク(暗闇での対話)を体験した。
調印式ではベネッセこども基金の青木智宏事務局長が「今回の協定を機に、公教育での障害理解教育の発展に寄与していきたい」とあいさつ。大阪府教育庁市町村教育室の桝田千佳室長は、教員研修として行うダイアログ・イン・ザ・ダークの体験について「これまでは知識を得る研修になりがちだったが、もっと先生たちの感性に訴え掛けるような研修がしたいと考え、実現した。今後はどのように学校現場に広げていくか、現場の先生方と一緒に考えながら進めていきたい」と話した。
この日の研修に参加した同府教育庁や市町村教委の指導主事ら10人は、暗闇の中で運動会を体験。視覚がない状態で、お互いが協力しながら玉入れやフォークダンスに挑戦した。参加者からは「まったく何も見えない空間だったが、そこに居てくれる、聞いてくれている感覚があった」「声に人柄が出ることが分かった」「もっと人に頼ってもいいんだと感じた」といった声が上がっていた。