小2がマイクラで町探検を再現 地域の人にワークショップ

小2がマイクラで町探検を再現 地域の人にワークショップ
地域の人に、マインクラフトで再現した自分たちの町を案内する児童=撮影:藤井孝良(写真の一部を加工しています)
【協賛企画】
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 さいたま市見沼区にある同市立大砂土東小学校(武田泰之校長、児童1122人)の2年1組は今年度、生活科の「町探検」で学んだことを基に、ブロックで建築ができるゲームMinecraft(マインクラフト)で地域の店舗や施設を再現したり、グラフィックデザインアプリのCanva(キャンバ)を使って解説動画をつくったりする活動に取り組んだ。1月29日にはその集大成として、見沼区役所で地域の人にマインクラフトで再現した自分たちの町を紹介するワークショップが開かれた。参加者は子どもたちから説明を受けながら「町探検」を疑似体験することで、地域の魅力を再発見していた。

 2年1組では、1学期の終わりからこの「町探検」のプロジェクトに着手。2学期に入ると、実際に同校周辺を探検したり、店舗や施設に出向いて直接話を聞いたりした。その上で、教育版のマインクラフト上に分担して店舗や施設を再現。それぞれの建物にはNPCと呼ばれるキャラクターが置かれ、右クリックするとキャンバで作成したその店舗・施設の解説動画を呼び出せるようにした。

 マインクラフトは子どもたちの間で人気のゲームということもあり、再現された建物はリアリティーにこだわった工夫やゲーム性を意識した仕掛けが随所に施されていた。例えば眼鏡店を担当した児童は、店舗の中のショーケースに並べられている眼鏡を「柵」のパーツを使って表現した。他にも、レバーを倒すと建物の扉が開いたり、駅では電車の代わりにトロッコを走らせたりといった遊び要素も隠れている。

 ある児童は「マインクラフトはもう3年くらい遊んでいるけれど、本物の町を再現するのは大変だった」と誇らしげな表情を浮かべた。

 この日のワークショップでは、児童らは学習者用端末を持参し、見沼区役所に集まってきた地域の人に、マインクラフトの操作の仕方を教えたり、店舗や施設を紹介したりした。

 参加したさいたま市在住の多ケ谷和代さんは「孫がマインクラフトで遊んでいたので一緒にやってみたときは『何が何だか…』という感じだったが、こうして町探検の学習に組み込まれていると親しみやすい。子どもたちからいろいろな専門用語を教えてもらった。ゲームを教材に使うのは楽しそう」と感想を話していた。

 2年1組担任の天野翔太教諭は「マインクラフトやキャンバで学んだことを基につくる活動だけでなく、人と関わったり、人に説明したりする経験が大きな意味を持っている。子どもたちは本当にこの地域が好きで、その気持ちを還元することができたのではないか。ゲームのようなものを教育に取り入れる『エデュテイメント』は、こうしたPBLでも有効だと思う」と手応えを感じていた。

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