乳幼児の睡眠時の安全対策 こども家庭庁が徹底呼び掛け

乳幼児の睡眠時の安全対策 こども家庭庁が徹底呼び掛け
死亡事故を受けて再発防止を呼び掛ける加藤担当相=撮影:松井聡美
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 東京都世田谷区の認可外保育施設で、生後4カ月の男児がうつぶせ寝のまま寝かされていたことで死亡した事故を受けて、こども家庭庁は2月8日、子どもの睡眠時間中の安全確保の徹底を通知した。乳幼児の睡眠中のリスクを踏まえ、原則として子どもの顔が見えるようあおむけに寝かせることや、定期的に子どもの呼吸や体位、睡眠状態を点検することなどの徹底を要請した。同9日の閣議後会見で加藤鮎子こども政策担当相は「あおむけに寝かせることを徹底していない、あるいはきめ細かく観察するといった対応を行っていない施設があれば、直ちに改善をしていただきたい」と再発防止を呼び掛けた。

 通知では、事故が発生した認可外保育施設では、乳児を寝かせる場合にうつぶせ寝のまま寝かせていることがあり、窒息や乳幼児突然死症候群(SIDS)などへの配慮が不十分であったこと、睡眠中の子どもの顔色や呼吸の状態をきめ細かく観察していなかったことが、自治体の立ち入り調査で判明したと説明。

 各都道府県、政令市、中核市などの担当課に対して、身体機能が未成熟の乳幼児の睡眠中のリスクを十分に認識し、2016年に策定された「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」などを踏まえ、注意すべきポイントを改めて所管する教育・保育施設に周知するよう求めた。

 具体的には、医学的な理由で医師からうつぶせ寝を勧められている場合を除き、乳児の顔が見えるようあおむけに寝かせる、一人にしない、寝かせ方に配慮する、安全な睡眠環境を整えることが、窒息や誤飲、けがなどの事故の未然防止につながるとして、▽やわらかい布団やぬいぐるみなどを使用しない▽ひもやひも状のものを置かない▽口の中に異物がないか確認する▽子どもや職員の数に合わせて、定期的に子どもの呼吸・体位、睡眠状態を点検すること――などを挙げている。

 加藤担当相は閣議後会見で「ご両親のお子さまの短い人生に意味を与えてあげたいという思いは、重く受け止めなければならない」と述べ、「もし今回のようにあおむけに寝かせることを徹底していない、あるいはきめ細かく観察するといった対応を行っていない施設があれば、直ちに改善をしていただきたい。今回の事故については、現在、世田谷区において詳細な事実関係の把握が行われているところであり、こども家庭庁としても事案の詳細を踏まえ、引き続き必要な対応を検討していく」と強調した。

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