校長などの推薦名簿・金品を団体から受領 名古屋市教委

校長などの推薦名簿・金品を団体から受領 名古屋市教委
iStock.com/takasuu
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 名古屋市教育委員会教職員課の職員が、市立学校の教員で構成される複数の団体から校長などへの推薦名簿とともに金品を受領していたことが発覚し、盛山正仁文科相は2月13日の閣議後会見で「仮に教職員人事に関連して、金品の授受が行われていたことが事実であれば、これは不適切と言わざるを得ない」と指摘した。市教委では現在、関係した教職員課の職員から聞き取りを行い、全容の把握を進めており、今後、第三者も含めた調査も視野に入れている。

 市教委によると、教職員課では毎年、区ごとにある校長会をはじめ、各教科の研究会、大学卒業年次が同じ教員で構成される同期会、同じ大学や高校の出身者による同窓会など、80を超える団体から、校長、教頭、教務主任への推薦候補者のリストを受け取っており、そのうち一部の団体からは、5000円~3万円程度の現金や商品券などが入った封筒も受領していた。

 これらの対応は教職員課の課長や首席管理主事が行い、金品は首席管理主事が出納簿のようなものを作成するなどして管理。次年度の教職員人事について、終日にわたって別室に教職員課の職員が集まって行われる業務での茶菓子の購入や慰労会の費用などに使われていた。これらの金品について教職員課では、人事業務に関する「激励」や「陣中見舞い」といった認識をしていたという。

 教職員課ではこれらのことが慣例として少なくとも数年前から行われていた。市教委では昨年12月中旬にこの事実が判明して以降、関係した職員への聞き取りを行うなどして、実態把握を進めているが、金額は年間で200万円を超えているとみられる。

 市教委では外部の団体などから今後一切金品を受け取らないよう通知を出すとともに、弁護士などの第三者も含めた調査を改めて実施する方針で、関係者の処分も検討している。市教委では名簿や金品の受け渡しに関与した職員を関連業務から外しており、来年度の教職員人事への影響は否定している。

 これを受けて盛山文科相は「仮に教職員人事に関連して、金品の授受が行われていたことが事実であれば、これは不適切と言わざるを得ない。教育に対する信頼を損なうことになりかねないものであり、大変強く懸念している」と閣議後会見で述べた。文科省ではすでに市教委に指導を行っており、調査を注視していきながら、状況に応じて必要な措置を検討する考え。

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