高校生の4割近くが、通っている高校で教育改革への対応を行っていると実感していることが2月15日、リクルートと全国高等学校PTA連合会の合同調査で明らかとなった。具体的な内容では、探究学習の重視や主体的・対話的で深い学び、ICTを活用した個別最適な学びなどが上位に挙がり、いずれも上昇傾向にあった。
この「高校生と保護者の進路に関する意識調査」は2003年から隔年で実施しており、今回で11回目となる。昨年9月15日~10月13日に、9都道府県から3校ずつ公立高校を抽出し、高校2年生の生徒とその保護者にアンケートを行った。生徒1752人、保護者1457人から回答を得た。
高校生についての質問で、通っている高校が教育改革への対応を行っていると「感じている」と答えたのは38.9%に上った。「感じている」と答えた高校生に、具体的な取り組み内容を複数回答で聞くと「生徒が自らテーマを設定し、調べたり解決に向けて取り組む探究学習が重視される」(61.5%)や「先生が知識を教え込む授業から、生徒が主体的に考え、学び合う授業に変わる」(56.7%)、「ICT技術を活用し、一人ひとりが最適な学習内容と進度で学べるようになる」(51.5%)が上位を占め、21年の前回調査からいずれも上昇していた。これに対し、「学んだことや経験したことを振り返り、次の目標を立てる『ポートフォリオ』が導入される」は26.3%で、前回から減少していた。
今回の調査では技術革新が将来の職業に与える影響への期待観についても聞いた。将来の職業にAIなどの技術革新の普及・発達が与える影響について「期待している」と答えたのは、高校生で24.7%、保護者で13.8%、「どちらかというと期待している」は高校生で36.6%、保護者で39.4%だった。その理由について高校生の自由記述からは、人間のできることが増えることへの可能性や効率性のアップなどがみられた。