児童手当拡充など法改正案を閣議決定 こども未来戦略を実行へ

児童手当拡充など法改正案を閣議決定 こども未来戦略を実行へ
子ども・子育て支援法などの改正法案について説明する加藤担当相=撮影:松井聡美
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 少子化対策の拡充に向け、政府は2月16日、子ども・子育て支援法などの改正案を閣議決定した。児童手当の拡充をはじめとする子育て世帯の支援の拡充や、新たな給付である「こども誰でも通園制度」の位置付けなどが柱で、これらの施策を実現していくための財源の一部として、医療保険と併せて徴収する「子ども・子育て支援金制度」についても定める。加藤鮎子こども政策担当相は同日の閣議後会見で「こうした拡充を子育て世帯に確実に届け、本当に子育てしやすい世の中になったと実感していただくことが大切だ」と述べた。

 昨年末に閣議決定されたこども未来戦略に盛り込まれた施策を実行するため、子ども・子育て支援法や児童手当法、児童扶養手当法、子ども・若者育成支援推進法など、関連する法律を一括して改正する。

 法案では、今年10月分の児童手当から▽支給期間を高校生年代までに延長する▽所得制限を撤廃する▽第3子以降の支給額を月額3万円とする▽支払を年3回から偶数月の隔月とする――ことや、児童扶養手当の第3子以降の加算額を第2子と同額に引き上げるなど、子育て世帯の経済的支援を強化。保護者の就労要件を問わず、0~2歳のこどもを保育所などに月に一定時間預けられる「こども誰でも通園制度」や、育児期に時短勤務を行った場合に支給される「育児時短就業給付」の創設といった子育て支援策もこれによって規定される。

 また、ヤングケアラーを国・自治体による子ども・若者支援の対象として子ども・若者育成支援推進法に明記する。

 改正案ではこれらの施策の財源確保策についても規定した。児童手当の拡充や「こども誰でも通園制度」の創設などの財源として、医療保険と併せて徴収する仕組みの「子ども・子育て支援金制度」を創設する。2026年度から段階的に導入し、28年度には総額が1兆円程度になる見通し。それまでの24~28年度は、子ども・子育て支援特例公債を発行できるようにし、その間の児童手当や26年度から全ての自治体でスタートする「こども誰でも通園制度」などの財源に充てる。

 これらの施策の費用負担に関しては、年金特別会計の子ども・子育て支援勘定と労働保険特別会計の雇用勘定(育児休業給付関係)を統合し、子ども・子育て支援特別会計を創設することで、こども・子育て政策の全体像と費用負担の可視化も目指す。

 加藤担当相は閣議後会見で「政策を着実に実施していくため、給付拡充と財政基盤の確保を一体的に整備するもの」と法案の狙いを説明。「こうした拡充を子育て世帯に確実に届け、本当に子育てしやすい世の中になったと実感していただくことが大切で、そのためには社会の意識や働き方を変えていくことも欠かせない」と強調した。

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