給食で小1が窒息死 福岡での事故を受け文科省が通知

給食で小1が窒息死 福岡での事故を受け文科省が通知
iStock.com/maroke
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 福岡県みやま市立小学校で給食中に1年生の児童が喉を詰まらせて窒息死した事故を受けて、文部科学省は2月27日、学校給食での窒息事故の防止に向けて指導の徹底を都道府県教育委員会などに向けて通知した。同市教委では、給食のおでんに入っていたウズラの卵が窒息の原因とみている。

 市教委によると、事故は26日の給食の時間中に発生。午後0時35分ごろ、男児が立ち上がって吐くようなそぶりを見せたため、すぐに担任が背中をたたくなどしたが食べ物が出ず、隣の教室にいた教員や養護教諭も駆け付けて吐き出させようとしたり、人工呼吸や心臓マッサージなどを行ったりした。その後、午後0時40分ごろに救急要請し、児童はドクターヘリで久留米市内にある病院に搬送されたが、死亡が確認された。

 市教委では、その日の給食に出ていた「みそおでん」の中に入っていたウズラの卵を喉に詰まらせ、窒息した可能性が高いと推察している。

 事故を受けて市教委では当面の間、給食でのウズラの卵の使用を中止し、食材の大きさを食べやすいサイズに見直すほか、子どもたちによくかんで食べるなどの指導を徹底する。事故が起きた小学校にはスクールカウンセラーを派遣し、子どもの心のケアにあたる。

 この事故を受けて文科省が2月27日付で出した通知では、事故の詳細は調査中としつつ、2019年に出した「食に関する指導の手引―第二次改訂版―」で給食時の安全に配慮した食事の指導や窒息への対処方法を示していること、加えて、内閣府食品安全委員会の「食べ物による窒息事故を防ぐために」や厚生労働省の「救急蘇生法の指針(市民用)2020」なども参考にしながら、指導を徹底するよう求めている。

 「食に関する指導の手引―第二次改訂版―」によると、給食時の窒息事故の防止として、過去にはパンの早食いや白玉団子、プラムを咀嚼(そしゃく)せずに誤って飲み込んだ事故が発生しているとし、特に水分が少ないものや思いがけず飲み込んでしまう可能性のある丸い形状のものは、咽頭部に詰まる危険性が高いため十分な注意が必要だと明記している。

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