3月の自殺対策強化月間を前に、文部科学省は2月27日、児童生徒の自殺予防に取り組むよう、都道府県・政令市教委などに通知した。2023年の児童生徒の自殺者数(暫定値)が507人と高止まりしていることを踏まえ、ICTツールなどを活用した早期発見や、進級・進学時の継続的な支援などに取り組むよう求めた。
通知では、22年の児童生徒の自殺の原因として学業不振や入試の悩みなどが多くなっていることや、例年、学校の長期休業明けに自殺が増える傾向があること、進学・進級の時期に進路に迷う児童生徒が増えることなどを踏まえ、長期休業前後での自殺予防の取り組みを促した。
具体的には▽ICTツールを活用したアンケート調査や教育相談、面談などによる、悩みや困難を抱える児童生徒の早期発見▽保護者に対する家庭での見守りの促進▽学校内外における集中的な見守り活動▽長期休業明けの前後でのネットパトロールの集中的な実施▽進級・進学などの際の学校間での引き継ぎの徹底――などを挙げた。
盛山正仁文科相は27日、武見敬三厚労相、加藤鮎子こども政策担当相と連名メッセージを発出。同日の閣議後会見では「学校関係者におかれては、1人1台端末を活用した心の健康観察などにより、児童生徒の態度に表れる微妙な差異に注意を払っていただき、不安や悩みの声に耳を傾けていただくようお願いする」と呼び掛けた。
電話やSNS、チャットなどでの相談窓口は文科省のウェブサイトで確認できる。