スポ少の全国大会をモデル大会に JSPO、軟式野球など

スポ少の全国大会をモデル大会に JSPO、軟式野球など
全国スポーツ少年団競技別交流大会の今後の在り方について説明するJSPOの益子日本スポーツ少年団本部長(右)=撮影:藤井孝良
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 小学生のスポーツの全国大会の在り方を巡り、日本スポーツ協会(JSPO)は3月6日、JSPOが主催で行われている軟式野球、バレーボール、剣道の全国スポーツ少年団競技別交流大会について、今後は子どもたちにとって望ましい大会の在り方を全国に普及していく「モデル大会」に位置付けていくと発表した。2024年度中に大会レギュレーションを策定し、日本一を決める全国大会とは一線を画すものとして、大会名の変更も視野に入れる。

 これらの大会は本来、スポーツを通した子ども同士の交流などを目的としていたが、ブロックごと、都道府県ごとの代表が集まることから予選会を含め勝利至上主義を誘発し、過度な練習や不適切な指導が行われるなど、子どもたちの心身に負担が生じるといった懸念の声が上がっていた。

 大会の見直しに向けた議論の中で、JSPOが各都道府県の競技団体にヒアリングを行ったところ、大会継続を求める声が8割以上を占めた一方、「大会を中止すべきだ」という回答も一定数あったことから、大会は内容・運営方法を改善し、当面の間継続するものの、スポーツ少年団の理念にのっとった「モデル大会」とする方針をまとめた。

 子どもたちにとって望ましい大会の普及に向けて、出場機会の確保や交流機会の充実などを定めた「ジュニア・スポーツ大会レギュレーション(仮称)」を24年度中に策定し、25年度から順次導入する。

 また、持続可能な大会運営に向けて、新たに大会参加料を設定し、大会期間中の参加者の宿泊、食事、交通費なども自己負担とすること、大会の名称を変更することなどを検討する。

 記者会見を開いたJSPO副会長の益子直美・日本スポーツ少年団本部長は「レギュレーションはまだ検討中だが、やはりトーナメントだと勝利至上主義を誘発してしまう可能性があるので、リーグ戦にして一度負けてもまだ試合があるような方法が考えられる。少年団の交流大会は試合だけではなく交流も大事なので、ラグビーなどでも取り入れられているアフターマッチファンクションのような、試合後に子どもたち同士で認め合ったり褒め合ったりして交流する場をつくりたい」とレギュレーションに盛り込みたいアイデアについて語った。

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