小4がミニ四駆で考える 電気自動車を生かした街づくり

小4がミニ四駆で考える 電気自動車を生かした街づくり
EVを使った楽しい場をジオラマ上で表現する児童ら=撮影:藤井孝良
【協賛企画】
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 電気自動車(EV)でどんな楽しい街にしたい?――。東京都中野区にある私立の新渡戸文化小学校(杉本竜之校長、児童355人)で3月12日、EVが持つ街づくりへの可能性を考える特別授業が行われた。小学4年生の児童らは、モーター付き小型自動車模型の「ミニ四駆」を使って、同小周辺の中野区の街並みが再現されたジオラマを舞台に、EVの新たな活用アイデアを提案した。

 授業は4年生が対象で、EVの普及に取り組んでいる日産自動車とミニ四駆を販売する模型メーカーのタミヤがタッグを組み、同小と協力して2日連続で計4時間のカリキュラムを開発した。1日目の3月11日に、児童はこの授業のために新たに開発された手回し発電機で充電できるミニ四駆を組み立て、環境に優しいだけでなく、電気をためたり、運んだりして運転以外の用途に使えるといったEVの特徴を学習。2日目となったこの日の授業では、体育館に再現された中野区のジオラマから、EVを活用した街づくりについて考えた。

 前日の授業で学習したEVの利点を復習した後、児童らには「中野の街が停電し、EVの余っている電気を届けたいとしたら、どこに届けるか」という課題が提示された。児童らはグループに分かれて各グループに2台あるミニ四駆をEVに見立て、ジオラマのどこにEVがあったら停電時に多くの人の役に立つかを話し合い、実際にその場所にミニ四駆を置いて、その理由を発表した。

 次の課題は「EVを使った新しい遊び場をつくろう」というもの。今度は画用紙や紙コップなども使いながら、EVを使ってさまざまな人が楽しめる場をジオラマ上にデザインし、タブレットで写真を撮って共有した。

 授業を受けた男子児童は「これまで勉強してきた環境問題と今日の授業で考えたことがつながった。EVについてもたくさん知ることができた。EVを使った街づくりについて、もっと考えたくなった」と振り返った。

 授業を担当した同小の栢之間(かやのま)倫太郎教諭は「子どもたちにとってEVの魅力というのが、ただ何となく環境に優しい乗り物ではなくて、電気がためられて、移動することができて、それによって可能性が広がる。そうした知識と概念を獲得できた」と説明。「EVなどの最新技術を活用すれば、自分自身も街のつくり手になれる、未来のつくり手になれるということを体感的に学べたのではないか」と手応えを感じていた。

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