1人1台端末に「ヤングケアラー相談ツール」導入 東京都品川区

1人1台端末に「ヤングケアラー相談ツール」導入 東京都品川区
「ヤングケアラー相談ツール」の使用イメージ=提供:品川区
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 ヤングケアラーが気軽に相談できる窓口を増やそうと、東京都品川区はこのほど、区内公立学校の児童生徒の1人1台端末に「ヤングケアラー相談ツール」を導入した。1人1台端末のSOSフォルダ内に導入され、クリックして質問事項に入力すると、その内容が同区の子ども家庭支援センターに送信される。同区の担当者は「今の時点で困っている子をキャッチできる方法として導入した」と支援体制の強化を強調した。

 品川区ではヤングケアラーの実態を把握し、支援策を検討するため、2023年9月に区内在住の小学4年生から高校3年生相当を対象に、ヤングケアラー調査を行った。その速報値によると、「家族の中に、あなたがお世話をしている人はいますか」の問いに、小学生では回答者の約8%に当たる268人が、中学生では約5%に当たる101人が、高校生では同じく約5%に当たる44人が「いる」と回答していた。

 すでに同区ではヤングケアラーの支援として「しながわケアラーズ喫茶」という交流の場を設けたり、SNSの相談窓口として「品川区ヤングケアラーサポートLINE」を開設したりするなどしてきた。

 今回の1人1台端末への相談ツールの導入について、子ども家庭支援センターの担当者は「学校現場から、今後の支援策を考えていくことも必要だが、今の時点で困っている子をキャッチできる方法も考えてほしいと要望があり、実現した。LINEを使えない子どもたちでも気軽に相談できる」と説明する。同区の子ども家庭支援センターに配置されている元ヤングケアラーのコーディネーターらが支援にあたるとしている。

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