こども・若者の意見表明の施策について議論しているこども家庭審議会の専門委員会は3月12日、第6回会合を開き、こども・若者の社会参画や意見反映に向けたこども家庭庁や専門委員会の今後の取り組みに関する素案を大筋で了承した。2024年度以降、新たにこども・若者が集まって活動している団体と行政との協力事例を収集してこども・若者の社会参画を推進していくことや、他省庁の審議会などでこども・若者がどれだけ参加しているかを調査することを提言。将来的な取り組みとして、全てのこども・若者が意見を自由に表明しやすい環境づくりに向けて、学校や教育委員会の好事例を集めることも盛り込んだ。
素案は、高校生や大学生などのこども・若者委員が多く、こども・若者参画のモデルとなる国の委員会であることを踏まえ、こども・若者にも分かりやすい表現を心掛けた。こども家庭庁が発足した23年度には、こども・若者の意見反映の取り組みとして「こども若者★いけんぷらす」が始まったことや、国や都道府県、市区町村の職員がこども・若者から意見を聞く際の留意点などをまとめた「こども・若者の意見の政策反映に向けたガイドライン」の策定などを成果として整理した。
その上で、24年度の取り組みとして▽「こども若者★いけんぷらす」を継続し、多様なこども・若者の声を聞くために、これまで以上に出向いていくスタイルを増やすこと▽他省庁の審議会や委員会に、こども・若者が実際にどれくらい参加しているかや、どのようにこども・若者の意見を聞いているのかについて、実態調査を行うこと▽こども・若者が集まって活動している団体と、国や都道府県、市町村が協力している事例を集め、こどもや若者の社会参画の後押しとすること――などを掲げた。
また、「今後できた方が良いこと」として、年齢や発達段階に応じて、多様なこども・若者の意見を聞くことができるような手法や留意点の検討をはじめ、自治体がこども・若者から意見を聞くことの支援、こどもや若者から意見を聞く重要性や必要性を学校や教育委員会に理解してもらい、全てのこども・若者が自由に意見を言いやすい環境づくりに向けて、好事例を集めることなども挙げた。
素案は第6回会合でさらに追加や修正すべき点などが議論され、それらの反映は委員長に一任して了承された。近く開催されるこども家庭審議会基本政策部会で報告され、6月に政府が取りまとめる「こどもまんなか実行計画」への意見として反映される見込み。