「自ら未来を切り拓く力の育成」などが柱 東京都教育ビジョンを策定

「自ら未来を切り拓く力の育成」などが柱 東京都教育ビジョンを策定
「東京都教育ビジョン」を策定した都教委の第5回定例会=撮影:松井聡美
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 東京都教育委員会は3月28日、2024年度から5年間の教育施策の基本的な方針を示した第5次「東京都教育ビジョン」を策定し、公表した。同ビジョンは東京都における「教育振興基本計画」として位置付けられるもの。①自ら未来を切り拓く力の育成②誰一人取り残さないきめ細かな教育の充実③子供たちの学びを支える教職員・学校の力の強化━━の3つを柱に設定した。

 ①は強化するポイントとして、子供一人一人の学習の進度や興味・関心の度合い、発達の段階などに応じた学びを実現していく。さらには、1人1台端末活用の日常化や、「使える英語力」の駆使、キャリア教育の充実などを挙げている。

 ②については、共生社会の実現に向け、多様な学びの場を一層充実させていく。また不登校児童生徒への支援の充実として、学校とのつながりが全くない子供をなくし、一人一人の状況に応じた支援を強化していく。

 ③では教員志望者に対して、都の教職の魅力を伝えるPRを充実させる。また、学校・教員が担うべき業務の精査、外部人材の活用、意識改革などを通して、学校の働き方改革を推進していくとしている。

 今回の策定にあたって、都教委の担当者は「このビジョンは、東京都の教育の5年間の施策展開の方向性を示した、全ての教育関係者の羅針盤となる」と強調する。

 この第5次ビジョンは2月に案を公表後、パブリックコメントを通じて都民の意見を聞き、反映した上で策定された。パブコメには教員や子供たちからも多くの声が寄せられた。同日に行われた都教委の第5回の定例会では、この点について委員から評価の声が上がった。

 一方で委員からは「策定して終わりではいけない。東京都はこんな教育を目指していくということを、教員だけでなく、地域や保護者にも広く伝えていくことが必要ではないか」との意見が出た。都教委では、同ビジョンのダイジェスト版「よくわかる!教育ビジョン」を作成しており、各方面に普及・啓発していくとしている。

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