2023年の小、中、高校生の自殺者が、過去最多だった22年より1人少ないだけの513人であったことが3月29日、警察庁の公表した確定値で明らかとなった。校種別では小学生と高校生が減少した一方で、中学生が増加。男性は中学生が前年と同数で、小学生と高校生は減少したが、女性はどの校種でも増加していた。
警察庁によると、小、中、高校生の自殺者は校種別に▽小学生 13人(前年比4人減)▽中学生 153人(同10人増)▽高校生 347人(同7人減)。小、中、高校生の全体の自殺者数は、20年に499人と大幅に増えて以降、高止まりの状態が続いている(=グラフ)。
性別でみると、男性は▽小学生 5人(前年比7人減)▽中学生 73人(同増減なし)▽高校生 181人(同27人減)。女性は▽小学生 8人(3人増)▽中学生 80人(同10人増)▽高校生 166人(同20人増)――で、女性の増加が目立つ。
月別でみると、最も多かったのは10月の61人、最も少なかったのは2月の24人だった。4月の53人、7月の43人、10月の61人は、直近5年間で最多だった。
自殺の原因・動機では、「学校問題」が最も多く261件、次いで「健康問題」(147件)、「家庭問題」(116件)と続いた。「学校問題」の内訳では「学業不振」(65件)、「進路に関する悩み(入試以外)」(53件)、「学校問題その他」(51件)、「学友との不和(いじめ以外)」(48件)が多かった。
子どもの自殺者数が過去2番目に高かったことについて、こども家庭庁自殺対策室の担当者は「重く受け止めている。年間自殺者数が高止まりしている要因が明らかではなく、現在取り組んでいる自殺の要因分析の調査研究や、昨年6月に取りまとめられた『こどもの自殺対策緊急強化プラン』のフォローアップなどを踏まえて、今後、関係省庁と検討していきたい」と話している。