憧れの教員生活スタート! 入都式で1200人に辞令交付

憧れの教員生活スタート! 入都式で1200人に辞令交付
辞令交付や宣誓が行われた教諭らを対象にした「入都式」=撮影:藤井孝良
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 2024年度を迎えた4月1日、東京都教育委員会は都立高校や都立特別支援学校の教諭などに採用された1200人に対し、辞令を交付する「入都式」を東京都台東区の東京文化会館で行った。浜佳葉子教育長は「教育に対する熱意や使命感を持ち、自らの職責を果たすことができる教師になってもらいたい」とエールを送った。代表して宣誓を行った都立江戸川高校の中村翠(すい)教諭は「生徒一人一人と向き合うということを大事にして、少しずつ生徒に信頼される教員になっていければ」と、スタートした憧れの教員生活に向けた決意を語った。

 都立学校の教諭らを対象にした「入都式」は昨年度まで新型コロナウイルスの影響でオンライン開催していたが、5年ぶりにリアルで開催。4月1日付で都立学校に採用された教諭、養護教諭、実習助手、寄宿舎指導員ら1200人が一堂に会した。

 代表による辞令の交付や宣誓の後、浜教育長は「教育に対する熱意や使命感を持ち、自らの職責を果たすことができる教師になってもらいたい」と強調。子どもに対する深い愛情を持つこと、人との良好なコミュニケーションを築くこと、常に学び続ける意欲を持つことの3つを心に刻み、教職の資質・能力を磨いてほしいと期待を寄せた。

 その上で、「強くお願いしたいこと」として、体罰や不適切な指導、性暴力などの重大な服務事故は子どもたちの心に大きな傷を与え、学校教育への信頼を著しくおとしめる行為だと指摘。困難に直面したり、うまくいかなかったりしたときは、一人で抱え込まずに同僚や先輩、管理職など周りに相談して、助言や支援を受けてほしいと呼び掛けた。

 辞令交付の代表者である都立墨田特別支援学校の西村賢教諭は「教員同士、生徒、保護者、地域の方とコミュニケーションを通して信頼関係を築く。その上に教育があると思うので、それを大事にできる教員になっていきたい」と抱負を語った。西村教諭はもともと中学校社会科の教員をしていたが、産休代替の教員として昨年度まで同校で働いていたことがきっかけで特別支援教育にやりがいを感じ、教員採用試験でも特別支援学校を希望したという。

 中学2年生のころに受けた授業で数学の面白さに気付き、教員を目指したという中村教諭は「信頼される先生が私の中での理想像」と話す。そのために「高校数学の知識量や授業のやり方も大事だが、それだけでは生徒からの信頼を得るのは無理だと思う。日々の関わりから徐々に心を開いてくれるように、授業以外でも生徒一人一人と向き合うということを大事にして、少しずつ生徒に信頼される教員になっていければ」と気を引き締めた。

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