東京都教育委員会がこのほど公開した2023年度の「児童・生徒のインターネット利用状況調査」の報告書によると、生成AIを「使ったことがある」のは全体で14.7%だった。その他、家で学習のためにインターネットを利用する時間は「しない・ほとんどしない」を除くと、「1時間程度」が33.4%と多かったことが分かった。
家で学習のためにインターネットを利用する時間については、全体で「しない・ほとんどしない」が51.5%だったが、それを除くと「1時間程度」が33.4%と最も多かった。新規の調査となるインターネットを使用した学習の内容(複数回答)は、小学校では「宿題」が53.4%と最も多く、中学校と高校、特別支援学校では「調べ学習」がそれぞれ62.1%、62.7%、47.3%と最も高く、「動画視聴」もそれぞれ50.2%、62.2%、47.3%と高かった。
同様に新規の調査となった生成AIの利用状況については、「使ったことがある」が全体で14.7%だった。校種別に見ると、小学校では11.7%、中学校は19.6%、高校が21.7%、特別支援学校が13.3%だった。
インターネット利用時のトラブルや嫌な思いをしたことがある児童生徒は、全体で7.6%と、22年度の結果(7.7%)と同水準の割合だった。その内容(複数回答)としては、「メールやSNSに書き込んだ文章が原因で友達とけんかになった」が全体で47.5%と最も多く、「グループ内や、誰もが見られるところで、自分の悪口や個人情報を書かれた」が26.5%、「無料通話アプリなどのグループで仲間外れにされたり、勝手に退会させられたりした」が19.5%と続いた。
また、トラブルを受けた際の対応(複数回答)は、全体で「我慢した」と回答した児童生徒が61.7%と最も多く、次いで「家族に相談した」が29.6%、「学校・先生に相談した」が17.2%だった。
同調査はインターネットの利用状況や、トラブル被害を経験した都内公立学校児童・生徒の割合やその内容、保護者の認識、学校対応などの現状を明らかにし、情報教育などの推進を図ることを目的に年1回実施されている。今回の調査対象校は区市町村立小学校44校、区市町村立中学校26校、都立中等教育学校2校、都立高校15校、都立特別支援学校15校の計102校。都内公立学校児童生徒の約1%に当たる約1万2000人と、調査対象校の管理職102人に、23年10月下旬から24年1月上旬までの期間でウェブアンケートフォームへの入力方式で調査した。今回の調査より、保護者対象の調査は廃止している。