新中高生のいる困窮家庭 制服代の出費難しく、3年連続

新中高生のいる困窮家庭 制服代の出費難しく、3年連続
iStock.com/Milatas
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 4月に中学校や高校に入学する子どもがいる経済的に困窮している家庭で、卒業・入学準備にあたって費用を用意するのが難しいものは、3年連続で「制服代」が最多だったことが、国際NGOのセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンがこのほど公表した「子ども給付金新入学サポート2024」の申請時アンケートの結果で分かった。卒業・入学準備にあたって費用の用意が難しいもので、中学1年生と高校1年生の間で回答の差が最も大きかったのは「パソコン・タブレット代」だった。

 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは4月に中学校や高校に進学予定の子どもがいて、経済的に困窮している家庭などに対し、中学1年生については3万円、高校1年生は5万円を給付している。この「子ども給付金新入学サポート2024」を1月10~26日に申し込んだ保護者1255人のアンケートの回答を分析した。回答者は、ひとり親世帯が81.9%を占め、児童扶養手当が全部支給となっている割合は60.9%だった。

卒業・新入学準備にかかる費用(複数回答、一部抜粋)
卒業・新入学準備にかかる費用(複数回答、一部抜粋)

 卒業・新入学準備にかかる費用で、どのような費用を用意するのが難しいかを複数回答で尋ねたところ、最も多かったのは「制服代」で、中学1年生で77.4%、高校生で75.8%だった。「制服代」は3年連続で最多だった。この他にも「運動着代」や「学校用靴代」「学校用カバン代」など、学校指定品と思われるものが目立つ。

 中学1年生と高校1年生で回答差が大きかったものには、「パソコン・タブレット代」や「通学費」があった。「パソコン・タブレット代」は中1が17.0%なのに対し、高校が47.0%、「通学費」は中1が4.6%に対して高1が31.2%で、「パソコン・タブレット代」はGIGAスクール構想の対象に高校が含まれていないことから、学習者用端末の購入費用が家庭負担となっていることが影響していると思われる。

 アンケートでは、こうした卒業・新入学準備の費用について、他の生活費を削ったり、借入をしたりして捻出している状況も浮かび上がった。

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