2021年6月に千葉県八街(やちまた)市で下校中の児童がトラックにはねられ、死傷する事故が発生したことを受け設置された「交通安全対策に関する関係閣僚会議」の第5回会合が4月5日、首相官邸で開かれた。緊急点検で判明した小学校の通学路における対策必要箇所7万2568カ所のうち、23年12月末までに歩道の設置や拡充、防護壁の整備などの安全対策を完了したのは、91.2%に当たる6万6203カ所だった。
八街市での事故を受け、21年6月に設置された同関係閣僚会議では、当時の菅義偉首相が再発防止に向け、通学路の総点検と交通安全を確保するための緊急対策をとるよう指示した。
文部科学省と国交省、警察庁が全国の小学校の通学路について合同点検したところ、7万6404カ所で安全対策を取る必要があることが判明。警察庁では信号機の歩車分離化、押しボタン式信号機の設置、横断歩道の設置・更新などを、国交省では歩道の整備や交差点改良、防護柵や区画線の設置、文科省では安全教育の徹底、ボランティアなどによる見守り活動、通学路の変更などを実施してきた。
23年4月に行われた第4回会合では、当初予定された対策の完了までに一定の期間を要する箇所が出てきたことが判明し、岸田文雄首相から暫定的な安全対策の実施も含め、23年度末までに対策必要箇所の全てにおいて安全対策を完了させるよう指示が出されていた。
この日の第5回会合では23年12月末までの実施状況が報告された。今年1月の能登半島地震の被災地である石川県、富山県、新潟県の対策必要箇所を除いた7万2568カ所のうち、全体の91.2%に当たる6万6203カ所が安全対策を完了した。また、暫定的な安全対策を含んだ場合は、全体の97.9%に当たる7万1026カ所が完了している。
事務局によると、23年度末の集計値については今後、公表予定としているが「暫定的な安全対策については、国交省、警察庁、文科省の各大臣から24年3月末時点で100%になっている見込みであるという報告を受けている」と説明した。