幼児教育の遊びを通じた学び 小学校で生かす解説資料公開

幼児教育の遊びを通じた学び 小学校で生かす解説資料公開
算数における幼児教育の遊びを通じた学びとの関連を解説した資料
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 新1年生が入学する4月、小学校の教員に向けて、幼稚園や保育所、認定こども園などで展開されている遊びを通じた活動と小学校教育のつながりを意識してもらおうと、文部科学省は4月9日、幼児教育と小学校の各教科の学びの接続を視覚的にまとめた解説資料『幼児教育と小学校教育がつながるってどういうこと?』を作成した。合わせて、幼児教育の活動の様子から、学びに発展する萌芽を捉える動画コンテンツも公開している。

 中教審初等中等教育分科会では2021年度から「幼児教育と小学校教育の架け橋特別委員会」が立ち上がり、昨年2月に審議まとめとして「学びや生活の基盤をつくる幼児教育と小学校教育の接続について~幼保小の協働による架け橋期の教育の充実~」を出している。その中で、幼児教育は子どもの発達を踏まえ遊びを通した学びを大切にしているにもかかわらず、一部の保護者や小学校の教員などから幼児教育は「ただ遊ばせているだけ」といった誤解があり、教員や保護者など、関係者間で認識を共有する必要性が指摘されていた。そこで文科省は23年度の「幼児期及び幼保小接続期の教員の理解増進事業」として、解説資料と動画コンテンツを制作した。

 解説資料では、小学1年生で学ぶ各教科や特別活動の学びについて、幼児教育での活動とどのような関連性があるかを図解。小学校教員による幼児期までの遊びを通した学びを効果的に取り入れた授業展開例を示している。文科省によると、各教科の学びにまで詳しく掘り下げた幼保小接続の資料を作成したのは今回が初めてで、今後、研修やシンポジウムでの活用や、各学校での接続期カリキュラムづくりの参考にしてもらうことを想定しているという。

 また、保護者向けの動画コンテンツ「遊びは学び 学びは遊び“やってみたいが学びの芽”~『やってみたい』から始まる学びの芽(知識・技能や思考力等の基礎、学びに向かう力)の育成~」では、幼稚園教諭や保育士などの子どもへの関わり、小学校教員の声などを紹介しながら、幼児教育の遊びを通じて育まれる資質・能力が、小学校以降の学習や生活への基盤となっていることを啓発している。

 解説資料や動画コンテンツは文科省HPで見ることができる。

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