ビブリオバトルなどで啓発 子どもの読書推進で優秀実践校が事例発表

ビブリオバトルなどで啓発 子どもの読書推進で優秀実践校が事例発表
「子どもの読書活動推進フォーラム」での事例発表=撮影:水野拓昌
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 「子ども読書の日」に定められている4月23日、文部科学省などは都内で「子どもの読書活動推進フォーラム」を開催した。子どもの読書を推進する活動を実践する学校や認定こども園、図書館、関連団体の表彰者ら約350人が参加。優秀実践校から4件の事例発表があり、小学校でのビブリオバトルや保育の中での絵本の活用、図書館と学校、地域との連携といった実践例が報告された。また、事例発表に先立ち、作家、喜多川泰さんが「読書のススメ」と題して特別講演し、読書の大切さを訴えた。

 「子ども読書の日」は子どもたちが言葉を学び、感性を磨くために必要な読書への意欲を高めるよう、2001年に制定。文科省と国立青少年教育振興機構は共催でフォーラムを開催し、読書活動優秀実践校などを表彰している。今年度は小学校65校、中学校26校など学校・園、図書館、団体・個人など計263件を表彰した。

 福岡県の新宮町立新宮東小学校による事例発表では、児童たちが読んだ本の魅力を討論し合い、話す力や質問する力を高めるビブリオバトルの実践事例を紹介。図書委員が事前に動画を作成し、児童がイメージしやすく、苦手な児童でも参加しやすい進め方に気を配り、紹介された書籍は多くの児童に読まれるようになったという。また、同校は要点を捉えて書く力を高める「はがき新聞」や児童のアイデアを生かした図書委員の取り組みなどを紹介した。

 福島県の飯舘村立までいの里のこども園からは、「作家とのふれあい活動」として、ノンフィクション作家・柳田邦男さん、絵本作家・いせひでこさん夫妻によるワークショップや、子どもの発達段階に応じた絵本タイム、親子読書の啓発などで絵本を活用した取り組みを実践していることが報告された。

 このほか、熊本県の天草市中央図書館は児童フロアや読書イベントなどの取り組み、石川県の「おはなし円グループ」は読み聞かせなどの活動内容を報告。会場の参加者からは「こうした活動を日常につなげていくためには、どう工夫すればよいか」と質問があり、事例発表者が「身近に本がある環境を整える」「家庭で本を読む習慣が浸透すると、親も子も本を読むようになる」と答え、家庭や地域住民との連携の必要性を強調した。

 また、特別講演で喜多川さんは「多くの人が毎日お風呂に入るように、1日の1%、15分程度の時間を読書に充てれば心の汚れを落とすことができる。1日の1%で人生は100%変わる」と力説。吉田松陰の言葉を紹介するなど「本を読むことで先人たちの志を知り、価値観が変わり、生き方も変わる」と述べ、読書から得られることの多さを強調した。

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