コロナ禍を経て海外への留学生の数が落ち込む中、米国ハワイでの高校生の探究型研修を企画してもらおうと、文部科学省が官民協働で展開する「トビタテ!留学JAPAN」は、高校教員などを対象に、今年7月に実施するハワイ視察ツアーへの参加者を募集している。ハワイ州観光局が航空券代や宿泊費などを負担し、参加費は5万円。募集定員は10人程度。
高校生の海外への留学は2017年の4万7000人(研修含む)をピークにコロナ禍を経て大きく落ち込んでおり、政府は高校段階の留学者数について、2033年までに研修旅行生(3カ月未満)を11万、留学生(3カ月以上)を1万人とする目標を掲げている。
留学生の増加を目指す背景として、「トビタテ!留学JAPAN」は、変化の激しい時代をどう思うかについて高校生に尋ねた調査で、留学経験者ほど「楽しみで変化に対応する自信がある」と回答した割合が多かったことを挙げ、「こういう意識を持つ人を支援していくことが大事であり、グローバル人材育成に貢献したい」と話している。
今回の視察ツアーは、コロナ禍で落ち込んだ留学や海外研修の機運を高めようと、ハワイを舞台にした学校主催の探究型の海外研修を教員自ら考えてもらおうと、ハワイ州観光局の協力で企画された。日程は7月20日~24日の3泊5日で、ハワイ大学や文化施設の視察をはじめ街歩きによる文化探訪などが予定されており、最終日は自由時間として研修先候補との打ち合わせや人脈構築などに充てることができる。全国の高校や中等教育学校後期課程、特別支援学校高等部などの教員が応募できる。
このほど開かれたオンライン説明会では、ハワイ州観光局日本支局の担当者も参加し、「コロナ禍を経てハワイも変わり、住民の自然保全意識が高まってSDGsに関連したさまざまな取り組みが進められている。まず先生方に見てもらい、研修を考えてほしい」と呼び掛けた。
「トビタテ!留学JAPAN」は、「従来型の研修より踏み込んだ探究型プログラムを考えるとともに、体験したことを学校外にも伝えるような意欲的な先生に参加していただきたい」と話している。
応募締め切りは5月14日。詳しい視察ツアーの内容や説明会動画のリンク先、応募フォームはこちらのサイトへ。